ジェーン・ドゥの衣装は準備段階から非常にディテールが豊富でした。配色はポストアポカリプスなテックウェア調で、セージグリーンのジャケットの襟元にはモフモフとしたボアがあしらわれ、インナーには黒のショート丈トップスを合わせました。引き締まったウエストラインと細長い淡いブルーの尻尾の組み合わせは、個人的にとても気に入っている見どころの一つです。
ボトムスは金属パーツが付いた黒のショートパンツで、実戦での擦り傷という設定に合わせるため、太ももや足に半透明の肌色絆創膏やタクティカルバンデージをあしらい、つま先に赤のアクセントが入った白のタクティカルブーツを合わせました。こうしたテックウェア風のコーディネートはアニメイベントの会場でも動きやすく、裾を引くロングドレスよりもはるかに身軽に活動できます。
ウィッグとカラコンについてですが、このキャラクターのために黒髪ベースで毛先が鮮やかな赤に染まったスタイルを厳選しました。毛先の主張の強い赤が、彼女のワイルドで自由奔放な雰囲気にとてもよくマッチしています。カラコンはグレーがかったライトブルーを選び、撮影時に眼差しがより鋭く際立つようにしました。
今回のロケ地はアニメイベント時の一般的なスタジオ撮影ではなく、友人と一緒にイベント会場近くの工業廃墟を探して撮影を行いました。現場は倒壊した鉄骨や傾いた警告看板、足首ほどまで溜まった浅い水たまりが広がる空間でした。スタジオで背景をCG合成するよりも、こうしたリアルなロケーションの方が本物ならではの緊迫感と退廃美を醸し出してくれます。水面の反射もあり、天気が良い時間帯に光が差し込むと、水のリフレクションが自然と顔元を照らすレフ板の役割を果たし、素晴らしい質感が生まれました。
手にした長柄の武器小道具は実際にはかなり重量があり、先端の黄色く発光する幾何学パーツは内部にライトを仕込んで自作改造したものです。手にして振りかざすたびに、ゲーム『ゼンレスゾーンゼロ』の中で敵を叩き伏せるようなリアルな手応えを感じられました。
ポージングにはかなりの体力と工夫を注ぎ込みました。特に完全にしゃがみ込んで片手を地面につくカットは、重心を極限まで低く落としつつ腰や脚の力加減を絶妙にコントロールしないと背中のラインが不自然になってしまいます。尻尾が不自然に折れ曲がったり視線の中心を奪いすぎたりしないよう配慮しながら、現場で何度もテイクを重ねました。地面は水浸しでしゃがむと膝がかなり冷えましたが、獲物を狙う野獣のように身を低くして飛び出そうとする野性的なポーズを再現するため、全力を尽くしました。
ジェーン・ドゥの魅力は、過酷な環境下で見せる奔放さと圧倒的な戦闘力にあります。女性でありながら、戦闘においては一切の容赦がありません。二次元カルチャーやアニメイベント、コスプレ撮影界隈でも最近非常に話題性の高いキャラクターです。彼女の放つ圧倒的なオーラを再現するため、レタッチではあえてコントラストを強め、わずかにザラついたフィルム粒子感を残すことで、『ゼンレスゾーンゼロ』の新エリー都が持つ退廃的な空気感に調和させました。
このフル装備で廃墟を歩き回っていると、まさに異世界でサバイバルしているかのような深い没入感を味わえました。コスプレの最大の楽しさはここにあると感じています。大好きなキャラクターに着飾るだけでなく、彼女たちが生きる世界と環境を束の間追体験できるからです。
足元の水たまりは冷たかったものの、ベストな構図のために思い切って踏み込みました。靴は防水仕様だったものの数日間乾かないほど濡れましたが、仕上がった写真に漂う水蒸気を含んだインダストリアルな世界観を見れば、すべての苦労が報われたと思えます。
グローブにも細かな加工を施し、手首部分にメタルバックルとスタッズを取り付けました。武器を握ると親指と人差し指の付け根が少し擦れることもありましたが、タイトなグローブが小道具をしっかりと握り込む力強い手元を演出してくれました。
ポーズをつける際は、尻尾が自然に下を向くか滑らかに垂れるよう注意を払いました。尻尾は柔軟なソフトラバー素材で曲げやすい反面、ウエストにしっかり固定しておかないとポージングの最中に位置がずれてしまうため、細かく気を配りました。
総じて、今回のジェーン・ドゥコスプレは、衣装やヘアメイクの完成度だけでなく、過酷な屋外廃墟ロケーションの中でいかにキャラクターの魂を捉えるかという挑戦でした。優れたコスプレ表現とは、単にウィッグや衣装の見た目を似せるだけでなく、眼差しや身体表現を通じて設定本来の野性を伝えられるかどうかにかかっています。今回の作品で近頃の目標をひとつ達成できましたが、今後はさらに多彩なアプローチでこのキャラクターの新たな一面を表現していきたいと思います。