【鍵山雛 コスプレ】台風一過の五獅岩の滝で挑んだ限界10分間のロケ撮影 - 1 枚目
【鍵山雛 コスプレ】台風一過の五獅岩の滝で挑んだ限界10分間のロケ撮影 - 2 枚目
【鍵山雛 コスプレ】台風一過の五獅岩の滝で挑んだ限界10分間のロケ撮影 - 3 枚目
【鍵山雛 コスプレ】台風一過の五獅岩の滝で挑んだ限界10分間のロケ撮影 - 4 枚目

車を2時間走らせて五獅岩の滝に辿り着いた瞬間、あまりの光景に呆然としてしまいました。元々は穏やかな水流のもと、滝壺の大きな岩の上にしっかりと立ってポーズを決める予定だったのですが、台風がもたらした豪雨によって滝は轟音をあげる濁流と化していました。激しい水煙が宙を舞い、石段の下に降りるどころか、遊歩道の上に立っているだけでも水が足首の上まで押し寄せ、雨煙の奥の岩に刻まれた赤い文字が不気味なほど鮮明に浮かび上がっていました。

今回の鍵山雛のコスプレ撮影のために、長い時間をかけて準備を重ねてきました。入念にセットしたウィッグ、赤と黒を基調としたロリータ調の大ボリュームドレス、重厚な長いリボン、そして頭上の巨大な紅白ストライプのレース髪飾りに至るまで、多くの想いを込めたスタイリングです。本来は滝下の天然岩や石段に佇み、雄大な水流のスケール感を活かしてキャラクターの神秘的なオーラを際立たせる計画でした。しかし現実は厳しく、柵の内側に足を踏み入れることすら叶いません。柵の向こうには濁った茶褐色の激流が渦巻き、吹き荒れる水飛沫で目を開けていることすら困難な極限状態でした。

カメラマンの若葉氏から「せっかくここまで来たんだから、隙を突いて何枚かシャッターを切ろう」と声をかけられ、私たちは遊歩道の中で辛うじて完全に水没していない平らなコンクリートの一角を確保しました。ずっしりと水を吸い始めた重い裾を持ち上げ、パニエを精一杯広げながら、舞踏や浮遊感を意識したポージングを展開。深緑と白灰色の雨幕の中で、赤と黒のコントラストは鮮烈な存在感を放ちましたが、黒のコルセットや白のレースフリルは湿気を含んで次第にしんなりと重みを増していきました。茶色のレザーブーツで滑りやすい足元を踏みしめ、一歩進むごとに転倒しないよう細心の注意を払いました。手にした2本の長い紅白レースリボンは、腕を広げるたびに突風に煽られて水流側へと引きずり込まれそうになり、風圧に抗いながら必死に身体のバランスを立て直しました。

あの10分間はまさに戦場そのものでした。大雨に打たれる過酷さをねじ伏せながら、雨滴に表情を崩されることなく、キャラクター特有のミステリアスな気品を瞳に宿し続けなければなりませんでした。スカートが優美に翻る躍動感を捉えるため、苔と水たまりに覆われた地面の上で何度もターンを繰り返し、垂れ下がるリボンやレース飾りが風と水しぶきの中で激しく舞い散りました。跳躍した瞬間を切り取った一枚では、スカートが見事な傘のように大きく広がり、岩肌を砕く轟音の隙間から猛烈な連写シャッター音が響き渡っていました。全身ずぶ濡れで寒さに震え上がりましたが、仕上がった写真の中で水煙煙る滝と美しく共鳴しながら翻るドレスの姿は、過酷な自然と対峙したからこそ生まれた奇跡的な美しさを宿していました。

今回の滝のロケーション撮影はまさに災難そのものでしたが、かけがえのない貴重な経験でもありました。豪雨という極限の環境は立ち回りや表現を大きく制約した反面、普段の撮影では決して得られない生々しい野生味を画面にもたらしてくれました。当初予定していたすべての構図を叶えることは叶いませんでしたが、狂風の合間を縫って鍵山雛の衣装を最高の迫力で残すことができ、すべての苦労が報われたと感じています。