今回挑戦した『オーバーウォッチ』D.Vaのタイトな戦闘服は、衣装を手にした瞬間から布地の持つ光沢感と反射の美しさが際立っていました。ボディスーツのベースカラーは深みのあるダークブルーで、ブラックと鮮やかなネオンピンクのラインが交錯し、胸元のピンクラビットのエンブレムや首元のチョーカーの細部に至るまで忠実に再現しました。このスーツの美しいフィット感を最大限に引き出すため、撮影前の2週間は徹底した食事管理と体幹トレーニングを敢行。タイトなキャットスーツは体型の粗をごまかせず、わずかな緩みもレンズの前で強調されてしまうため、万全のコンディションで臨みました。
ウィッグは前髪を清楚なぱっつんに切り揃え、ハードスプレーでサイドの毛束が頬に沿って美しく流れるようキープ。両頬の象徴的なピンクの猫ひげペイントは、当日の朝に鏡と向き合いながら手描きで仕上げました。笑顔を浮かべた際にもラインが歪まないよう、顔の筋肉の動きを計算して位置と角度を慎重に定めています。ヘッドセットは特注で制作してもらったプロップで、長時間装着すると耳に痛みが走るものの、SFメカ少女としてのリアリティを貫くため、撮影のインターバル中も外さず装着し続けました。
スタジオセットは近未来的なテクノロジー感に満ちており、背景に配した発光基板やモニターディスプレイがゲーム内のシチュエーションを見事に想起させてくれます。今回はカメラマンさんが「富士フイルム 撮って出し」にこだわり、後からの過度な色調整を極力省くアプローチを採用。富士フイルム特有の色再現性は高彩度なブルーやピンクと抜群の相性を誇り、スタジオ照明を浴びたブルーのスーツの陰影やグラデーションが、撮って出しのRAWの段階で息を呑むほどクリアに描写されました。メインライトとフィルライトのバランスをミリ単位で調整し、布地のハイテクな質感を強調しながら顔周りの影をクリーンに保つライティング設計に時間をかけました。
ポージングにおいて、D.Vaは持ち前のダイナミックな躍動感が不可欠なキャラクターです。指で銃の形を作るハンドサイン、両手でのピースサイン、腰に手を当てて身体を斜めに捻る構えなど、多彩なアクションを試みました。タイトスーツは見栄えが素晴らしい反面、可動域に制限があり、腕を持ち上げると脇元に突っ張りが出やすいため、力の入れ方を工夫しながら身体のしなやかさを維持しました。この装備を纏ってBilibili World(BW)やChinaJoy(CJ)の大型イベントにも参加しましたが、凄まじい熱気と人波の中をこの衣装で歩き回ることは過酷な体力勝負でした。それでもこまめなメイク直しとウィッグの調整を怠らず、常に最高のコンディションを保ち続けました。メカスタイルといえば過去にエヴァンゲリオン初号機のプラグスーツにも挑戦しましたが、比較するとD.Vaの装いはより軽快でスポーティーな競技感に溢れています。コスプレは体力と忍耐の真剣勝負ですが、仕上がった写真を目の当たりにした瞬間、すべての疲労は爽快な達成感へと昇華されます。これからも様々なスタイルのキャラクターに挑み、造形や撮影の知見を深めていきたいです。
このような全身タイトスーツを着こなすには、衣装自体のカッティングの精度はもちろん、着用者自身の引き締まった筋肉のラインが問われます。ゲーム内での軽快な機動力を表現するため、事前にアクションの力の支点を反復練習して身体に馴染ませました。着用後は前屈みやしゃがみ、腕の上げ下ろしといった動作の感覚を再調整。生地に適度な伸縮性はあるものの戻る力も強烈なため、不用意に動くとシワや食い込みが生じてしまうからです。スタジオの照明は寒色系を基調としていたため、肌の質感をナチュラルに見せるべくベースメイクはマットに仕上げ、鎖骨や肩先には上品なハイライトを仕込みました。カメラマンさんは自信と小悪魔的な茶目っ気が交錯する眼差しを丁寧に引き出してくださり、キャラクターの内面を宿す上で決定的な力となりました。小道具を構える際も素手でのポーズでも体幹を常に引き締め、凛とした立ち姿をキープ。現像時も肌本来のリアルな質感を残し、光と影が織りなす立体感を大切にしました。着脱やメンテナンスにもコツが必要で、爪を立てずロール状に巻き上げながら着用し、使用後は中性洗剤で優しく手洗いして日陰干しを徹底するなど、一つひとつの経験が大切な財産となっています。