今回のロケ撮影のテーマは、日本のJK制服に猫耳を合わせたスタイリング。どこか懐かしいレトロな風情が漂う古本屋の店先を舞台に選びました。黒のテーラードジャケットとプリーツスカートの組み合わせは、温もりある木造建築の背景と合わさることで格別な化学反応を生み出してくれます。ジャケットにあしらわれた金色のダブルボタンが良いアクセントとなり、インナーの白シャツとワインレッドのリボンタイが全体のトーンを重すぎず華やかに引き締めてくれます。ボトムスにはグレースプライトのプリーツスカート、黒ストッキング(タイツ)、そして黒のローファーをセレクト。王道のスクールガール風コーデとして脚のラインをすらりと美しく見せつつ、涼やかな秋の気候にも自然に馴染んでくれました。
猫耳カチューシャの装着には少し工夫を凝らしました。ツインテールのヘアスタイルと自然に馴染ませるため、頭頂部のやや外側に配置し、カメラの前で不自然に浮いて見えないよう前傾の角度にも気を配りました。今回使用した猫耳は毛先にほんのりグレーのグラデーションがかかっており、黒髪との間に柔らかなコントラストを描いてくれます。小道具にはブラウンのレトロな学生カバンと赤い表紙の本を用意。小道具を取り入れたことで余分な力が抜け、本をめくったりカバンを頭上にかざしたりと、自然な動作の文脈の中で生き生きとした表情を引き出すことができました。
ファインダー越しのポージングは、ロケーションとの対話から自然に生まれました。古本屋の外壁には木製の本棚が並び、その傍らには長い木製ベンチが置かれていました。ベンチに腰掛けたカットでは脚を組み、黒ストッキングの引き締まったラインを綺麗に見せつつ、背筋を伸ばして上体をわずかに後傾させることで、ジャケットの美しい仕立てを際立たせました。カメラマンさんの光の捉え方も素晴らしく、軒先から斜めに差し込む陽光が地面の落ち葉や木漏れ日の陰影を情緒豊かに描き出してくれました。
黒いU字型の駐輪パイプや木製ステップに腰掛けたカットでは、高さがあるため体幹を意識してバランスを保ちました。ウッドデッキの上であぐらをかいて靴の金具を直す仕草は、実はふとした瞬間のオフショットでしたが、自然光を浴びたストッキングの上質なマット感とローファーのメタルバックルが絶妙に調和し、画面の質感をぐっと深めてくれました。床一面に舞い散る秋の落ち葉が、画面全体に温もりあふれるウォームブラウンの階調を添えてくれています。
刻々と移ろう自然光を逃さないよう、撮影はテンポよく進行しました。最も自然体な表情を捉えるため、大半の時間を何気ない会話を交わしながらのスナップ撮影に費やしました。衣装を見せることだけにとどまらず、文学的な静けさと猫のような愛らしい気まぐれさが同居する独特の空気感を残したかったのです。過剰なメイクに頼らず、日常の情景の中にほんのり二次元の息遣いを溶け込ませ、空間と小道具で物語を紡ぎ出すこのスタイルがとても気に入っています。今回の撮影記録が、皆様のコーデや撮影のインスピレーションになれば幸いです。