今回のケルシーの撮影で一番過酷だったのは屋上の強風で、ウィッグが激しく煽られましたが、幸い表情が崩れていないカットを何枚か選び出すことができました。このコスプレ衣装はディテールが非常に多く、黒いインナートップスの十字架模様は端がめくれないよう接着剤でしっかり固定しました。外側の白ジャケットはハリのあるしっかりとした生地で、歩くたびに自然なドレープ感が生まれるものの、夏場の着用はかなり蒸し暑さを感じました。手にしたバインダーとペンは医師として常に記録を取る仕草を再現するために用意した小道具で、長時間持っていると手が少し痺れそうになりましたが、撮影時は硬く見えないよう自然な構えを意識しました。メイクは淡いグリーンのカラコンで瞳に透明感を持たせ、寒色系のシェーディングと目尻を長めに引いたアイラインを合わせ、銀白のウィッグとモフモフの獣耳とともに、より凛とした清冷な顔立ちに仕上げました。
ちょうど夕暮れ時に恵まれ、空が青から紫ピンクへと移り変わる柔らかな光線が夕焼けの雰囲気を美しく演出してくれました。背景の植物や紫の小花が自然なセットとなり、背後の金網と相まって都市の片隅ならではの隠れ家的な空気感を醸し出してくれました。撮影ではライティングが非常に重要で、顔が暗く落ちてしまわないよう事前に正面から光を当てる工夫をしました。こうした屋外での屋上撮影は初の試みで、準備や片付けは骨が折れましたが、最終的な光影の仕上がりは素晴らしく、ケルシーの持つ神秘的で真摯な気品に見事にマッチしました。清冷で集中した佇まいを保つため、表情筋のコントロールにも神経を使いました。今回のメイク・衣装とカメラマンさんとの息もぴったりで、落ち着いた暗めのトーンがとても気に入っており、高所に立ってこの姿を纏うと、本当にキャラクターの世界に溶け込んだような没入感を味わえました。
最後の写真選びでは、このコスプレ衣装の全体感を最も美しく魅せられる全身カットを中心に選びました。細かな課題はあったものの、レタッチは非常に自然で、肌本来のキメや光影のディテールを大切に残してくれました。光の下での衣装の発色も良く、『アークナイツ』の世界を表現できたとても有意義で楽しい撮影体験となりました。