前回スタジオでカルテジアの撮影を行った際、青と白を基調としたギリシャ風のローマ柱セットを特別に組みました。冷色系の環境光と相まって、思いのほか透明感のある美しい写りになりました。ローマ柱と淡いブルーのお花を軸にしたセットは、黒・白・青の3色が織りなす衣装のカラーリングと見事に調和し、さらにディフューズされた冷光の影が、全体に静けさとどこか神秘的な雰囲気を添えてくれました。
本日公開した4枚のカットは、私個人としても非常に満足のいく仕上がりです。特に3枚目の石柱に腰掛けたカットはお気に入りです。撮影時、つるつるした柱の上で裸足になりバランスを取る作業は意外と体力を使い、背筋をピンと伸ばしながら脚のラインを自然に伸ばすよう心がけました。衣装のカッティングは個性的で、上半身は黒白のサイバー・タクティカル風切り替えデザイン、首元のゴールドチェーンや金属リングの質感が実に秀逸です。ウィッグの前髪には長い三つ編みを編み込み、エルフ耳のアクセサリーには青いビーズが付いたデザインをチョイス。腕の青いストラップや軽やかな青白のロングリボンは、スタジオのサーキュレーターの風を受けてなびきやすく、2枚目の両腕を広げた立ち姿のカットに素晴らしい躍動感を与えてくれました。
5枚目の黒縁メガネを手で触れるポーズに興味を持った方も多いのではないでしょうか。これはスタッフとの休憩の合間に撮影した再現カットで、レンズ越しの視線と指先で誘導する動作を組み合わせることで、原画立ち絵にあるような「少し真面目でチャーミング」な表情を捉えることができました。ちょっとした動作のオマージュですが、画角を調整して同じ角度を見つけ出すプロセス自体が、撮影現場の楽しさを倍増させてくれました。
今回カメラマンの淮一さんはライティングのコントロールが極めて繊細で、写真の現像前に青み(青藍)の色温度を細かく調整してくれました。刺すような白飛びを避け、柔らかいピンクブルーのソフト光を顔や衣装に落とし込むことで、お肌の透明感がとても自然に際立っています。現場での息もぴったりで、ポーズを変えるたびに構図のアドバイスをくれました。1枚目と4枚目の座りポーズも、両手を胸元や襟元にそっと添えるようアドバイスしてくれたおかげで、集中しつつも少しリラックスした空気感を表現できました。
レタッチに関しては極端な色変更を行わず、元の冷白調のベースカラーを再現しつつ、微細な青の環境光を際立たせることに重点を置きました。二次元撮影の静止画の中でキャラクターのしなやかさや躍動感を表現するのは容易ではなく、身体の筋肉の動きを正しく保ちながら、瞳の力加減や表情をコントロールする必要があります。今回は素足、座りポーズ、立ち姿とマルチアングルに挑戦しましたが、靴を履かない完全な再現スタイルだからこそ、キャラクターの世界観に一層深く没入できた気がします。
写真を整理しながら、コスプレ日常のひととき、そしてコスプレイヤー紹介としての投稿記事として深い感慨に浸っていました。レイヤーとして衣装の準備やポーズの再現を重ねる中で、毎回そのキャラクターの性格と向き合うことになります。鳥と貝殻をモチーフにした頭の白いパーツや、衣装にあしらわれたゴールドの幾何学模様など、ディテールがひとつ決まるだけで、カメラの前に立つ自分の自信へと繋がります。この静止画を通して、私たちが表現したかった透明感と『鳴潮』の世界観を感じていただければ幸いです。