今回の撮影ではナース姿のレムをテーマに選び、特注した巨大注射器の小道具を最大のハイライトに据えました。一般的な撮影小物と比べてサイズが大きいだけでなく、金属製の針先もかなりの重量があり、片手で持ち上げるだけでも腕にかなりの力が必要で、画面上での優雅さと自然な抜け感を保つために腕の支点を何度も調整しました。
衣装はウエストを絞った白のナース服を採用し、袖口にあしらわれた青のパイピングが青いショートヘアと抜群の相性を見せてくれます。キャラクター設定を忠実に再現するため、片目を覆う長めの前髪の毛流れにこだわり、左耳の横にはピンクの花の髪飾りをセット。毛先も丁寧にレイヤーカットを施してふんわりとした軽やかさを出しました。メイクには透き通るようなブルーのカラーコンタクトを選び、目の下や鼻筋にふわりとピンクのチークを乗せてライティングを合わせることで、儚げでありながら精巧なフィギュアのような陶器肌を演出しました。
ポージングの微調整にも多くの工夫を凝らしました。1枚目の正面カットでは冷ややかな威圧感を漂わせ、体の前に巨大な注射器をまっすぐ構えることで印象的なギャップを表現。2枚目の斜め向きのカットでは首をわずかに傾け、目線でニュアンスを伝えました。そして3枚目の横向きで振り返るカットが個人的に一番のお気に入りで、斜めのアングルがボディラインを綺麗に見せてくれるだけでなく、微笑みを浮かべながら注射器を手にする姿は、まるで患者に「病気になったら、いい子でお注射しましょうね」と優しく語りかけているかのようで、潜む危険さと可愛らしさが絶妙に融合しました。
白の衣装はライティングの難易度が高いのですが、カメラマンさんが柔らかなディフューズ光を使ってくれたおかげで、肌の質感を透明感あふれるきめ細やかな白肌に収めてくれました。首にかけた聴診器は少々重みがありましたが、全体のスタイリングにリアルなプロっぽさを添えてくれました。巨大注射器の小道具が重く、金属の針先が体に当たらないよう常に気を配る必要があり体力を使いましたが、レンズの前でどの所作も美しく切り取られ、キャラクターの可憐なビジュアルと物騒な小道具が織りなすギャップの美しさを存分に表現できました。