今回のリリスの屋外撮影に向けて、半月ほど前から小道具や衣装の準備に取り掛かりました。衣装のパターン設計からあの巨大な漆黒の大鎌に至るまで、細部の修正を何度も繰り返しました。この大鎌は見た目こそクールで迫力満点ですが、実際は手にずっしりと重く、屋外ロケで片手で掲げたりポーズに合わせて構えたりするのはまさに体力勝負でした。中には中腰の姿勢を維持しなければならないポーズもあり、ボリューム満点のスカートを広げつつ大鎌を地面に水平に寝かせる際は、表情を崩さずに体幹をしっかり固定する必要があり、撮り終えた後は腕も脚もパンパンになりました。
衣装面では、黒レース切り替えのコルセットドレスに白のクロスリボンとオフショルダーのデザインを組み合わせることで、視覚的にウエストが驚くほど引き締まって見えますが、生地の通気性は控えめでした。キャラクターの気品に寄り添うため、毛量たっぷりの超ロング黒髪ストレートウィッグを着用。風の吹く屋外ではロングヘアが乱れやすいため、手ぐしで整えたりアシスタントさんに直してもらったりしながら、レンズ越しに滑らかな毛流れをキープできるよう細心の注意を払いました。前髪も輪郭に合わせてミリ単位でカットし、長すぎて視界を遮らず、短すぎてミステリアスな雰囲気を損なわない絶妙な長さを追求しました。幾重にも重なるチュールスカートはフィッシュテール(前短後長)仕様で、歩いたりポーズを取ったりするたびに美しくたなびく反面、風で脚に張り付かないよう気を配る必要がありました。
メイクに関しては、キャラクターの象徴である涙マークを再現するため目元に心血を注ぎ、彫りの深い陰影を作り込んだ上でアイライナーを使って目の下に黒い涙の紋様を描き込みました。白めのベースメイクに淡い色のカラーコンタクトを合わせることで、どこかヤンデレ感やダークな危うさを漂わせる雰囲気に仕上げています。全体をダークゴシック風に統一するため、透け感のある黒ストッキングとレースアップのハイヒールをセレクト。ヒールが高く、車道脇に立ったりアスファルトに片膝をついたりするのは足首にかなりの負担がかかりましたが、完成した写真の中で脚のラインがすらりと伸び、抜群のスタイルを引き出すことができました。
撮影ロケーションには近代的な街並みの道端を選び、複雑に入り組んだ鉄骨メッシュの建築やガラスカーテンウォールを背景に据えました。こうした無機質でシャープな現代建築の直線美と、ダークゴシックなドレスが鮮烈なギャップを生み出してくれると考えたからです。そのため撮影中はクールで憂いを帯びた佇まいを意識し、レンズに媚びず虚空を見つめるようなアンニュイな視線を保ちました。立ち姿、中腰、片脚を上げるフォーム、大鎌を振りかざすアクションなど多彩な構図に挑戦。吹き抜ける強風や行き交う車の合間を縫う撮影はタフでしたが、仕上がりには大満足しています。大鎌と広がるスカートのコンビネーション、原作の世界観をしっかり捉えられているでしょうか?今後もオフショットなどを更新予定です。レースの縁取りからプロップの細かなトゲに至るまでこだわり抜いた作品ですので、大好きなキャラクターを形にできた達成感で胸がいっぱいです。