今回のホタルのセーラー服スタイルで、ついに念願の屋外ロケを実現できました!撮影を決意してから実際に海辺に足を運ぶまで、準備におよそ半月。これまでは屋内スタジオ撮影が中心だったため、今回は新たなテイストに挑戦しようと週末を選び、たくさんの機材と荷物を抱えて沿岸の埠頭へと向かいました。出発前夜はウィッグのセットで夜更かしをしてしまい、銀白をベースに毛先へ向けて淡く抜けるスカイブルーのグラデーションを丁寧に梳かし込み、頭上の白い羽根飾りもカメラの前で最も自然に映える角度を求めて何度も位置を調整しました。
当日は遮る雲ひとつない強烈な太陽が照りつける快晴。袖を通した白の長袖セーラー服はショート丈のカッティングで、ウエストラインがほんのり覗く絶妙な丈感。胸元を飾るライトブルーのチェックリボンとゴールドのエンブレムが上質な立体感を添えています。ボトムスにはイエローのラインが走るダークグレーのプリーツスカートを合わせ、清涼感を際立たせるために白ストッキングと黒のローファー、スクールバッグをセレクト。気温30度前後の海辺でこの装いはかなり蒸し暑かったものの、最高の絵作りを目指して真夏の日差しの下へ挑みました。
船着き場の周りには無数の漁船やボートが停泊し、太い麻縄や古タイヤが巻き付けられた手すりが港町ならではの情緒を漂わせていました。ただ、海風は想像以上に激しく、ポーズを決めた瞬間にウィッグやスカートが吹き乱れてしまう事態に。右手を額にかざして眩しい西日を遮る仕草は、輪郭を綺麗に見せつつ左手でバッグを支えて重心を保つための工夫です。強風で前髪が顔に張り付いてしまうため、数枚撮るごとにカメラマンさんが駆け寄って髪と裾を整えてくれました。コンクリートの埠頭沿いにアングルを変えて風下の構図を探ったものの、海風がもたらす生き生きとした動感を活かすため、最終的には風を無理に遮らずスカートが自然に翻るまま撮影を続けました。
なぜホタルのコスプレがこれほど好きなのかとよく聞かれますが、単にセーラー服のカラーリングに惹かれただけではありません。彼女の佇まいには、どこか凛とした涼やかさと芯の通った強さが同居しています。その気品を宿すため、ファインダー越しに見つめる瞳の焦点を微調整し、誇張した表情を排して、静寂を湛えた身体の所作でニュアンスを語るよう努めました。波間に揺れる船影と、陽光の霞の向こうに浮かぶ島影が、画面に豊かな叙情性を与えてくれています。
ロケーション撮影とスタジオ撮影の決定的な違いは、常に移ろう環境へ柔軟に適応しなければならない点です。太陽の高度が刻一刻と変化するため、光の角度に合わせてレフ板や立ち位置を絶えず微調整。3時間以上に及ぶ撮影で革靴を履いた脚には心地よい疲労感が残りましたが、モニターに映し出された眩い光と生命力あふれるカットを目にした瞬間、すべての苦労が喜びに変わりました。海辺のポートレートに対する長年のこだわりを結実させ、スタイリングから現地での撮影進行まで自らの手で創り上げた、かけがえのない充実した思い出となりました。