今回のハン・ジュリの撮影では、ポージングの設計にじっくりと時間をかけました。ジュリはストリートファイトとテコンドーを極めた武闘派のキャラクターであり、その所作に一切の甘さや緩みは許されません。カメラの前で彼女ならではの鋭利なキレと凶暴な気迫を放つため、事前にスタジオへ通い詰めて体幹トレーニングと蹴り技の反復練習を重ねました。一見身軽そうに見える衣装ですが、着用するとダイナミックなアクションの自由度が大きく制限されます。トップスはショート丈の白ノースリーブベストで、マゼンタとシアンのジッパーが縁を飾り、内側には幾何学模様の黒いビスチェを着用。大胆なウエストの露出は腹筋のコンディション管理が極めてシビアで、撮影当日は水分補給すら極力控え、腹筋のカットが常に引き締まった状態を維持しました。
手袋は光沢感のあるマゼンタの指ぬきグローブに黒いレザーのリストストラップがあしらわれ、格闘少女の設定に見事にフィット。首元の黒いスタッズチョーカーも装いを引き締めるアクセントです。ベルトにあしらわれた白地に黒の太極図のモチーフもお気に入りで、全体のスタイリングに東西が交錯する反逆的なエッセンスを添えています。ボトムスは白のタイトパンツ(白ストッキング)の上に黒のハーフパンツを重ね、サイドにはマゼンタの長いリボンを配置。このリボンが走ったり蹴り出したりする瞬間にふわりと宙を舞い、躍動感あふれる最高のアクセントになってくれます。
ロケ地には金網や赤青の足場、黒と黄色のトラ柄ドラム缶、古タイヤが転がる廃墟風のインダストリアルスタジオを選定。カメラマンさんは青紫と赤ピンクのネオン管を空間に贅沢に張り巡らせてくれました。この寒暖が衝突するコントラスト光は、光沢手袋やエナメル生地に強く反射するため、角度の微調整が欠かせないシビアなセッティングでした。私は靴を脱いで裸足になり、黒いドラム缶の上に飛び乗って、しゃがみ込みや片足でのハイキックを連発。ドラム缶の縁で重心を保つのは難しく、足元の白いファーラグによる滑りやすさも相まって、どのカットも全身を震わせるバランス感覚のテストでした。
しかし仕上がった写真は息をのむ迫力で、とりわけローアングルの煽り構図では脚のラインが驚くほど長く伸び、圧倒的な威圧感が立ち上がりました。ウィッグについては特徴的な2つの角型お団子のフォルムを崩さないよう内側に芯材をしっかり仕込み、毛先のマゼンタのインナーカラーもアイロンで入念にスタイリング。半日以上をかけた撮影は過酷な体力勝負でしたが、完成した写真を目にした瞬間、流したすべての汗が誇らしい喜びに変わりました。
完璧な蹴りの瞬間を捉えるため、カメラマンさんとはアングルやシャッタータイミングを綿密に擦り合わせました。衣装が白いため暗い工業系の背景とのコントラストが極めて強く、光量の制御を誤れば一瞬で白飛びしてしまいます。後方斜めから青いエッジライトを回し、正面から柔らかなピンク光で顔のシャドウを起こすことで、肌の滑らかな質感を残しつつ、髪色やジッパーのビビッドな色彩を際立たせました。冷え切った金属ドラム缶に素足で乗ると初めは身体が強張ってしまいましたが、サイドで何度もハイキックを繰り出して靭帯をほぐしました。しゃがむ姿勢ではドラム缶の縁を足の指先でしっかりと掴んでバランスを取り、片手を膝に置き、もう一方の手をマゼンタの手袋へと伸ばしながら、レンズを射抜くような鋭い視線を保ち続けました。
コスプレとは単に衣装を着てポーズを整えるだけではなく、内面からそのキャラクターそのものになりきることが真髄だと信じています。ジュリの持つ挑発的で揺るぎない自信に満ちた眼差しは、鏡の前で何度も角度を研究しました。顎をわずかに引き、一切の迷いを捨ててレンズを睨みつける。この作品には、小道具の準備からライティング設計に至るまでチーム全員の情熱が注ぎ込まれています。ストリートファイトならではの野性味と力強い美しさを、このコスプレから感じ取っていただければ幸いです。