今回の『ブルーアーカイブ』竜華キサキの撮影は、これまでのイメージをいい意味で覆し、キャラクター本来の魅力と夏の日常にある気だるげな心地よさを融合させることをコンセプトにしました。普段のキサキは絢爛なチャイナドレスや格式高い装いが印象的ですが、今回はあえてラフなスポーツウェアを選び、夏の和室で扇風機に吹かれながら冷たいジュースを飲むような寛ぎのシチュエーションを形にしました。
衣装には、襟元と袖口に濃色のパイピングが施された白の半袖Tシャツと、サイドに白ラインが入ったダークトーンのスポーツショートパンツをセレクト。そして足元には全体の主役となる真っ白な白ストッキングを合わせました。白ストッキングは膨張して見えやすいため脚のラインが問われますが、この生地感と純白の色合いこそが脚の柔らかな曲線を美しく引き立ててくれます。スポーティーな短パンと合わせても違和感がなく、クリーンで透明感あふれるスポーティ少女の佇まいを創出してくれました。
ウィッグのセットは非常に大がかりな工程でした。キサキを象徴するお団子ヘアと超ロングのツインテールは、セット技術の高さが試されます。お団子をふっくらと丸く仕上げるため中にあんこ(毛たぼ)を仕込み、ハードスプレーとヘアピンを惜しみなく使って固定。超ロングのツインテールは撮影中に絡まりやすく背景の小道具に引っかかりやすかったため、ポーズを変えるたびに毛先を綺麗に梳かして整え直しました。
撮影ロケ地には、畳が敷き詰められた趣ある伝統的な和室を選びました。木製の本棚や障子戸、使い込まれた素朴な木製スツールなど、どれも素晴らしい質感を湛えています。夏の生活感を漂わせるため、実際に動いているレトロな扇風機と赤白パッケージの炭酸飲料を用意しました。手前で回転する扇風機の羽根が柔らかな前ボケとなり、畳の上に落ちる光と影と溶け合って、非常に自然で瑞々しい情景を醸し出してくれました。室内が暗くなりすぎないよう自然光を最大限に活かしつつ、サイドからソフトボックスで補助光を回すことで、畳の温かなトーンと衣装の涼やかなトーンの綺麗な対比を生み出しました。
ポージングでは派手な決めポーズを避け、日常の脱力した仕草を重視しました。畳の上に正座して両手でドリンクを持ったり、文机にうつ伏せて片手で頬杖をついたり、肩越しに振り返ったり。中でも一番難度が高かったのは、床に斜めに座りながら両脚を持ち上げて左手の木製スツールに預けるポーズでした。一見アンニュイでくつろいでいるように見えますが、実は激しい体幹の強さが要求されます。白ストッキングを着用しているため、脚を浮かせた際もたるんで見えないようピンとしたしなやかな伸びを保ち続けなければなりません。下半身の筋肉をしっかりコントロールしながら上半身は完全にリラックスさせ、目元には気怠げな余裕を漂わせる必要がありました。カメラマンさんがローアングルから脚のラインをすらりと美しく捉えるよう構図を追い込んでくれたおかげで、緊張感のある素晴らしい一枚を残すことができました。
撮影後は心地よい疲労感に包まれましたが、仕上がった写真に宿る静謐さと微かな色香を目にした瞬間、すべての苦労が報われたと感じました。いつもとは一味違うキサキの魅力を楽しんでいただければ幸いです。