『ブルーアーカイブ』の才羽モモイと才羽ミドリのスタイリングにおいて、戦いの警戒心を完全に解き、ごく普通の女子高生のように寄り添って気ままに過ごす日常の姿をずっと表現したいと思っていました。今回、ようやくその「休憩時間」のワンシーンを具現化することができました。
黒のプリントTシャツを手にした際、原作のデザインと細部まで照合しました。オーバーサイズのシルエットは着心地が良く、襟元や袖口の落ち感が飾らないリラックスした空気感を自然に生み出してくれます。ウィッグはカットを幾度も微調整し、金髪のぱっつん前髪とツインテールのふんわり感をカメラの前で自然に見えるようセット。頭上に浮かぶヘイロー(光輪)に寄り添うため透明アクリルスタンドの位置を調整し、ピンクと蛍光グリーンのリングがライティング下でも違和感なく溶け込むように工夫しました。
レンズの前で見せるリラックスした佇まいは、実は何度もリハーサルを重ねた結果です。ポテトチップスを食べるカットでは、手元の動きが不自然に固くならないよう、定番の黄色いパッケージを選んで画面に明るい差し色をプラスしました。袋を持つ際は手首をわずかに傾け、もう片方の手を額の前に添えて愛らしい仕草を作り、隣から顔を覗かせる才羽ミドリの視線にはお菓子を待ち望むようなニュアンスを込めました。二人が寄り添って座る際も肩を完全に密着させず、かすかな隙間を空けることで、画面に適度な抜け感と呼吸感を持たせています。
ラグマットのシーンへ移行した後は、メイン小道具を携帯ゲーム機へスイッチ。白い絨毯の上に二人であぐらをかき、画面を見つめました。光が顔立ちを照らすだけでなく、白ストッキングとレースの縁取りに美しい立体感を与えるため、照明技師さんが左サイドから柔らかなディフューズ光を照射。ゲーム機の画面には何も映っていませんが、ボタンを押す指の添え方や親指のポジションは、普段ゲームを遊ぶ際のリアルな癖をそのまま再現しました。左手を拳にして掲げる所作は、ステージをクリアした瞬間の弾けるような高揚感を切り取るための演出です。
尻尾のパーツは全身のスタイリングにおける愛らしいアクセントで、腰回りの目立たない位置に固定。先端にあしらわれた蛍光グリーンのリングがヘッドホンの装飾と美しく呼応しています。猫耳付きヘッドホンは一般的なオーバーヘッド型よりもやや重量があるため、ズリ落ちを防ぐよう撮影の合間にこまめに位置を直しました。白ストッキングの履き心地は予想以上に快適で、白いラグの上で正座する際は電線に気を配る必要があったものの、適度な伸縮性を持つ生地のおかげで屈んだ際にも不自然なシワが寄らず、下半身の流麗なラインを美しく保つことができました。
二人コスプレにおいて最も難易度が高いのはお互いの呼吸であり、視線、所作、そして空気感を同じ波長に揃える必要があります。本日のカットでは、あえてカメラを意識しない自然体の瞬間を重点的にスナップ。視線を落としたり横顔を見せたりしながら、共有する小さな画面に二人の視線が交差するだけで、固有の世界観が豊かに立ち現れました。白ホリゾントの背景は極めてクリーンである一方、レフ板の角度がわずかにズレるだけで顎下に重い影が落ちてしまうため、モニターを何度も確認しながらミリ単位で立ち位置を微調整して構図を決定。小道具の配置にも配慮を重ね、お菓子の袋がTシャツのグラフィックを隠さないようにし、ゲーム機の画面をわずかに傾けて光の反射面をレンズへ向けました。作為的なポーズを排し、普段の気心の知れた距離感をそのまま注ぎ込むことで、結果として最もキャラクターの魂に迫る作品へと結実させることができました。