重いライトスタンドと機材バッグを抱え、公園で半日近く奮闘しました。今回のロケ撮影はまさに体力勝負でした。撮影のために持ち込んだのは2灯。1灯はGodox AD200Pro IIに90cmのオクタゴンソフトボックスを装着して斜め前から顔用のメイン光として当て、もう1灯はGodox ML100Bi定常光ライトを斜め後ろに配置して輪郭光として使いました。正直なところ、自然光だけで撮っていた頃の方がずっと楽でした。今回は照明機材を抱えて公園中を走り回り、バッテリー交換やスタンドの移動に追われて終始バタバタ。暑さも手伝って服は汗でびっしょりになりました。何より過酷だったのは公園の蚊の多さと毒々しさで、足を何箇所も刺され、痒みに耐えながらの撮影となりました。それでも仕上がった写真を見た瞬間、苦労が報われたと心から思えました。
以前から研究していたPanasonic S5M2の撮って出しの色味に、SIGMA 85mm F1.4のレンズを組み合わせたところ、ボケ味が非常に綺麗で、公園の雑多な背景をうまく整理してくれました。綺麗な輪郭光を作るため、定常光ライトの角度調整にはかなりの時間を費やしました。強すぎると白飛びし、弱すぎると髪の質感が失われてしまうため、微調整を重ねて髪の毛の輪郭を絶妙な光のヴェールで縁取ることができました。着用したロリータドレスにはツインテールと花冠を合わせ、手にはデイジーの花を持ちました。この手のドレスはポージングの難易度が高く、森の背景に合わせて自然にスカートの裾を持ち上げ、二次元的な世界観が漂う森林の雰囲気を意識しました。午後の自然光と斜め前からのソフトボックスが美しく馴染み、直射日光のような硬さのない柔らかな陰影を顔に作ることができました。木の根元に腰掛けたり、芝生の中央でスカートをふわりと広げたりと、いくつかのアングルを試しましたが、どれも素敵な瞬間を捉えられました。
撮影中のセッティング調整はまさに持久戦で、90cmのオクタゴンは肌を本当に滑らかに写し出してくれる反面、均一に光が当たるよう常に位置を細かく微調整し続けました。モデルの海塩ちゃんも本当に大変で、芝生に座って足を何箇所も蚊に刺されながら、しっかりとポーズをとってくれました。撮影前は85mmの画角が狭すぎるのではないかと心配していましたが、実際には森の中で奥行き感と立体感を出すのに完璧な距離感でした。今回の環境は木陰のコントラストが強く、日差しが直射する場所は白飛びしやすいという複雑なライティング条件でしたが、2灯を組み合わせることで光のバランス問題を綺麗に解決できました。定常光で輪郭光を組むと、モニターを見ながら明暗のバランスを直感的に確認できるため、コントロール性が抜群でした。ただ、機材が多く移動のたびに運ぶのは相当な重労働でした。
撤収する頃にはすっかり日も暮れ、2本のライトとカメラバッグを背負って肩が悲鳴をあげていました。午後中ずっと蚊に刺されながらのハードな撮影でしたが、出来上がった写真を見返すと、自然光のみの撮影よりも光と影の階調がはるかに繊細に仕上がっています。私にとって今回の多灯ライティングによるロケ撮影は貴重な経験となりました。次回は移動時間を減らすためにも、事前にしっかりと動線を計画して挑みたいと思います。とはいえ、今回の仕上がりはあの過酷な苦労に見合う最高のポートレート作品になりました。