『コードギアス 反逆のルルーシュ』C.C.のチャイナドレス コスプレ本番写真を撮り切るため、蓮の花が咲き誇る古典庭園での蓮池のロケを敢行しました。当日はあいにくの小雨模様となり撮影の難易度は上がったものの、雨景撮影ならではの思いがけない情緒と洗練された高級感をもたらしてくれました。蓮の葉を打つ雨粒、雨煙の中に浮かんでは消える遠くの古建築、そして赤と緑の鮮烈な補色コントラスト。不老不死という設定に寄り添うべく時間をかけて選んだこの赤いチャイナドレスは、大輪の白牡丹と金色の文様があしらわれ、クラシカルなチャイナボタンと大胆なスリットが中華の古典美を保ちつつ、多彩な所作を美しく支えてくれました。
撮影では赤い油紙傘と扇子を手に、雨糸の中でアングルを探り続けました。何百年もの歳月を背負ったキャラクターの重厚さを適度に和らげるため、4枚目のカットではサンザシ飴を頬張る無邪気な所作を取り入れました。深めのスリットから覗く脚のラインを美しく見せつつ、インナーの黒ショートパンツでチラ見えを防ぎながら現代的なニュアンスをプラス。より自然体な気ままさを表現するため、片方の靴を脱いで石台の上に素足を踏み出し、素足と赤黒のハイヒールの対比という常識を破る表現にも挑みました。
「不老不死、満池の栄枯を見尽くす」。この言葉こそが、今回の撮影を貫く感情の核でした。蓮の花の開花と落花は束の間の出来事にすぎませんが、彼女にとっては数百年の中で繰り返されてきた幾度とない出会いと別れの縮図です。チャイナドレスは変わらずとも、かつての友の面影は時の彼方へと消えていく。そのためカメラの前では、過度に明るい表情を作るのを控え、淡々とした距離感を瞳に宿すよう意識しました。それでもふと扇子を翻し、手元の蓮を見つめる瞬間の涼やかな眼差しと、微かに漂うやりきれなさこそが、私が切り取りたかった真の姿でした。
撮影中最大の試練となったのは、スリットの深いチャイナドレスを纏って石台の上に腰掛けながら優美な所作を維持することでした。雨に濡れた石の表面は滑りやすく、体幹を使って身体を安定させつつ、スカートの美しいドレープと脚のラインを両立させなければなりませんでした。ロングウィッグも湿気で絡まりやすく、1テイク終えるごとにメイクさんが髪を梳き直し、メイクを整えてくれました。雨によって光量は落ち、シャッタースピードを落とさざるを得ませんでしたが、この柔らかな拡散光のおかげで肌に自然で透き通るような質感が宿りました。油紙傘の端越しにレンズを見つめる時、雨粒が背景の雑踏をぼかし、まるで時空の狭間に迷い込んだかのような錯覚を覚えました。
現像作業では過度なフィルターを避け、蓮の葉の深緑とチャイナドレスの鮮烈な真紅のコントラストを忠実に再現し、背景の輝度をわずかに落として画面に心地よい奥行きを与えました。赤いタッセルや髪飾りの小道具も、鈍色に沈む石柱を背景に生き生きと映えています。丸一日の撮影で身体は疲れ切っていましたが、宿命を背負いながらも等身大の人間味を漂わせる仕上がりを目にした時、すべてが報われたと感じました。