今回のイベント写真は多彩なスタイルのアプローチを取り入れました。北京の会場事情により、IJOY側のスペースが限られていたため背景を暗く落とした撮影が中心となりましたが、それがかえって重厚感のあるスタイリングと見事にマッチしました。一方、広々とした別ホールではハイコントラストな大光量比と均一なフラット光の表現に果敢に挑戦。メリハリのある光は衣装の立体感や顔の陰影を際立たせ、フラットな光は素肌の透明感や衣装本来の発色、繊細なメイクの質感を忠実に引き出してくれます。カメラマンとの連携も完璧でした。機材にはキヤノン EOS R5 Mark IIにRF24-70mm F2.8、RF70-200mm F2.8 Z、RF16mm F2.8が投入され、広角ならではのダイナミックなパース感から望遠の圧縮効果まで自在に描き分けてくれました。会場の環境光は非常に複雑なため、ライティングの設計が成否を分けます。ストロボ6灯、定常光4灯、インフレータブルライト(気柱灯)を組み合わせた装備はイベント撮影で絶大な威力を発揮し、背景を落として主役を引き立てる際も定常光の回し込みも抜群の安定感を誇りました。躍動感あふれる瞬間を切り取るため、衣装の裾を整えたり小道具を舞い上げたりしてくれるアシスタントの存在も不可欠で、蹴り上げやジャンプ、床に横たわる難易度の高いポーズも無事に形にすることができました。重厚な衣装で会場内を移動し疲労を抑えながら最高の表情を保つのはハードでしたが、撮って出しのデータを見た瞬間にすべての疲れが吹き飛びました。後処理に関しては、基本当日に元データを共有して速報性を重視。色味の微調整はナチュラルな仕上がりを基本とし、発光エフェクトや厚塗りレタッチ、CGフェイス補正などの大がかりな合成は事前相談の上、72時間以内の納品を徹底しています。動画撮影も今回の目玉であり、DJI RS 4ジンバルにDJI Pocket 3やアクションカメラを組み合わせ、極めて滑らかなカメラワークを実現。音ハメや雰囲気重視のカット、コミカルなショート動画まで柔軟にディレクションを行いました。経験者同士ならではの阿吽の呼吸で多くのクリエイティブな閃きが生まれ、スチールの繊細さと動画の躍動感が融合した、達成感に満ちた二次元撮影となりました。