5月末の重慶はすっかり夏の陽気で、蒸し暑い空気が肌にまとわりつくようでした。今回は5月31日に行われた重慶大学翼遥アニメサークル「次元の夜」をきっかけに、前々から準備していた装備を携えて現場でイベント写真を撮影してきました。当日は午後に別の予定があったため、イベントが終わると急いでタクシーに乗り込んで戻るという、かなり慌ただしいスケジュールでしたが、無事にすべての予定に間に合いました。
これまではアニメ展のような光線が複雑な会場や、事前に予約したプロ仕様のスタジオでコスプレ撮影をすることがほとんどでした。大学のアニメサークルが主催するイベント現場に足を踏み入れるのは今回が初めてで、正直なところ出発前は「キャンパスの会場で自分が望む奥行きや雰囲気のある写真が撮れるだろうか」と少し不安でした。しかし現地に着いてみると、その心配は杞憂に終わりました。会場の廊下は冷色系のタイル壁で、天井の冷白色光源がメインの照明でした。このややインダストリアルでシンプルな環境だからこそ、私とカメラマンにとって表現の幅が大きく広がったのです。
最初の赤と黒の衣装に着替えると、その強烈な色彩の対比が薄暗いタイル壁の前で一気に引き立ちました。しゃがみポーズのアングルは衣装の裾のレイヤー感と脚のラインを美しく見せてくれ、カメラマンさんと息を合わせて横顔のポーズを固定し、クリーンなベース写真を何枚か収めることができました。続いて奥へ移動し、事前に用意していたスモークを使用しました。以前は煙を厚く焚きすぎたり散らしすぎたりしがちだったのですが、今回は手法を工夫し、頭上や背後のエリアに煙を集中させました。仕上がりは想像以上で、ブルー系の冷光がスモークを透過する質感が一気に物語感を高めてくれました。
2着目の白黒の衣装は、霧立ち込める環境の中でより輪郭がくっきりと映えました。黒い長傘は単なる小道具(プロップ)にとどまらず、画面を安定させる視覚のアンカーとして機能してくれました。しゃがみ込んで傘の柄を握り、重心を低く落としてカメラのレンズと視線を合わせると、周囲の煙が少しミステリアスな雰囲気を演出してくれました。その時、周囲には見物に訪れた学生さんたちが集まっていましたが、シャッターが切られる瞬間には誰もが静かに見守ってくれました。同世代の温かい理解とサポートのおかげで、ポートレートの撮影プロセスがとても心地よいものになりました。
続く3着目と4着目はまったく異なるスタイルです。3着目は華やかで夢幻的なライトブルーのチュールドレスで、繊細な編み込みヘアとゴールドの三日月があしらわれたヘッドドレスを合わせました。このドレスは裾のボリューム感がすごいため、背中見せのデザインとシフォン素材の軽やかさを魅せるべく、振り向きのアングルを選びました。その一瞬の眼差しの表現にも工夫が必要で、しっかり強調したアイメイクがレンズ越しにとても透明感高く映えました。
そして最後の青緑色のツインテールスタイルは、今回の中で最も動的な一枚になりました。衣装のシルバーの光沢素材が環境光を受けて素晴らしいツヤ感を放ちます。髪をなびかせる一瞬を捉えるため、カメラマンさんと3〜4回テストを重ねました。片膝をついて立ち、カウントダウンに合わせてシャッターが切られる瞬間に、ツインテールを右後方へ勢いよく振り払いました。髪が長くボリュームもあるため、軌道がズレるとボサボサになってしまうのですが、幸い完成した写真には髪が美しく広がる完璧な弧を描いた一瞬が定格(フリーズ)されていました。
今回の駆け足での撮影ペースは確かに早く、着校から4着撮り終えるまで、1着あたりにかけられる時間は決して長くありませんでした。しかし、事前準備をしっかり行い、着付けやウィッグの整理を万全にしておいたからこそ、限られた時間の中で着替え・位置調整・撮影をスムーズに完了できました。忙しい時間でしたが、最終的な成果には私自身もカメラマンさんも大満足しています。キャンパスを急ぎ足で駆け抜けた足音も、今写真を見返すと楽しい思い出の一つになっています。
撮影以外にも、イベントエリアを散策しながら現地の熱気を肌で感じました。ステージ上のパフォーマンスが観客の歓声を誘い、同人ブースには手作りのグッズやフィギュアが並び、みんなの交流は活気に満ち溢れていました。こうしたリアルなオフラインでの交流こそが、コスプレイベントで最も心を動かされる瞬間の一つです。重慶大学翼遥アニメサークルのイベントへの参加は、一日中滞在することは叶いませんでしたが、タイトなスケジュールのなかで満足のいくイベント写真を残すことができ、本当に来て良かったと感じています。また次回も、このような快適なテンポと純粋な雰囲気に満ちた高校・大学のアニメイベントに参加できることを楽しみにしています。