セーラー襟の白いエプロンに袖を通し、黒白のバイカラーが愛らしい猫耳カチューシャを着けて首元に黒いチョーカーを留めた瞬間、部屋中を引っかき回すやんちゃな子猫のスイッチが一気に入りました。今回の撮影テーマは、ふわふわで愛らしく、とことん暴れん坊な子猫の日常。作品の完成度を高めるため、あえてシンプルな猫の顔イラストがプリントされたオーバーニー丈の白ストッキングを選び、足首には鈴付きのアンクレットを添えました。「白ストッキングを伝線させずにどうキープしているのか」とよく聞かれますが、動きの激しいテーマの撮影では、常に予備の新品を何足か控えておくことこそが最大の秘訣です。
現場に広がる足の踏み場もない散らかりようをご覧ください、まさに動かぬ「犯行現場」そのものです。色とりどりの毛糸玉が四方八方に散乱し、淡い黄色や白の毛糸がダンボール箱の中からフローリングの上へと長く引きずり出され、傍らにはぬいぐるみの小魚や小さなカラーボールが転がっています。ダンボールの前に腰を下ろし、白い毛糸を幾重にも身体に巻きつけながら座り姿勢を整え、両手を床についてポーズ。2枚目の写真で立ち上がって毛糸をぐっと引っ張る所作は、腰と背筋の筋力をかなり要するポーズでした。美しいラインを保つため身体をわずかに前傾させつつ、眼差しには無垢でありながらこちらの反応を伺うような猫特有の探りを入れるニュアンスを込めました。
その後は思い切って片脚をダンボール箱の中に踏み入れ、片手で黄色いお魚のぬいぐるみを掲げて頬にそっとすり寄せました。白ストッキングを履いたまま箱を跨ぐ動作は、生地を箱の縁に引っ掛けて破かないよう注意を払いながら、同時に脚のラインをしなやかに美しく見せる必要があり、何度もトライを重ねました。4枚目では全身ですっぽりダンボールの中に収まり、両手を軽く握って頬の両脇に掲げる「猫の手ポーズ」を披露。一見シンプルなポーズに見えますが、体幹をしっかり引き締めておかないと猫背になって見栄えが悪くなってしまいます。頭に載せた魚のおもちゃが予想以上に重く、何度もずり落ちそうになったため、角度を細かく調整してようやく固定できました。
現場の小道具はあえて無秩序に散りばめ、本物の猫と暮らしているかのような生活感を表現しました。「家がめちゃくちゃになるから猫を飼って後悔した」なんて言葉も耳にしますが、散らばった毛糸やお魚のおもちゃを目にしていると、この手のいたずらっ子は本当に「愛憎相半ばする」愛おしさそのものだと実感します。猫ならではの気だるげな脱力感を表現するため、型にはまったポージングを削ぎ落とし、床に寝そべったり、箱に身を預けたり、毛糸を気ままに引っ張ったりと、自然体の所作を優先しました。ブラインド越しに差し込む柔らかな光が、昼下がりの温かなおうち時間の空気感を美しく演出してくれました。
全編を通して毛糸やダンボールと格闘し続け、猫のような研ぎ澄まされた愛らしい表情を維持する撮影は体力勝負でした。撮影現場はすっかりカオスな状態になりましたが、モニターに映し出されたふわふわで茶目っ気あふれる姿を目にした瞬間、この大騒ぎの甲斐が十分にあったと心から満たされました。