今回のアリサ・ボスコノビッチ コスプレの衣装は、小道具のバランス調整やポージングに相当なエネルギーを注ぎ込みました。背中に装着した機械の翼はかなりの大きさがあり、ずり落ちたり光を遮ったりしないよう、装着時にバックルの留め位置を正確に見極める必要がありました。重心が少しでもブレると、ポーズのキレに直結してしまうからです。衣装自体は上品なブルーサテンとピンクのベルベットの組み合わせで、滑らかな手触りである反面ホコリがつきやすく、廃墟の砂利や瓦礫の上を歩く際は常に細心の注意を払いました。身につけたレースフリル付きの黒ストッキングは美脚ラインがシビアに問われるアイテムですが、白のヒールブーツと合わせることで脚長効果を際立たせ、ハードコアな着用体験となりました。腰元に固定した青い薔薇も、動作の際に触れて傾いてしまわないよう、撮影中に何度も位置を整え続けました。
ロケーションには、砕石と鉄板が広がる廃工場エリアをセレクト。全体的にダークトーンで統一された空間は、インダストリアルスタイルの重厚感を醸し出し、機械の翼を照らす寒色系ホワイトの逆光ライティングにこれ以上なくマッチしました。午後の直射日光は明暗のコントラストが激しく、巨大な機械の翼が光を遮ってしまうため、レフ板を駆使して丁寧に光を補いました。レンズワークでは望遠レンズの圧縮効果を多用し、溶鉱炉の巨大な構造物をダイナミックに引き寄せることで、玉ボケやシャープな光条が金属のソリッドな質感を刻み出し、画面全体の重心を低く構えた緊張感ある画作りを実現しました。
アクションのポージングは『鉄拳』の作中モーションを忠実にリスペクトし、跳躍やしゃがみ姿勢を取り入れました。とりわけ片足立ちのポーズはバランス維持が至難の業で、足先に力を込めることで靴下とブーツの密着性が極限まで求められ、軸足の靴底をタイルの隙間にしっかりと噛み合わせて体勢を維持しました。飛行の浮遊感を表現するため何度もジャンプを繰り返しましたが、着地の際にヒールが地面の亀裂に挟まりそうになるハプニングもありました。レタッチ段階では頭部や手元に発光エフェクトをプラスし、アンドロイドとしてのメカニカルな完成度を高めました。幼少期から『鉄拳』をプレイしてきた身として、今回このキャラクターを完全再現できたことは、子供の頃から憧れていた機械美少女への想いを昇華させる特別な体験となりました。過酷な撮影ではありましたが、カメラマンの菠蘿啤(パイナップルビール)さんとの息の合った連携により、多くの魅力的な瞬間を捉えることができ、非常に実り多き撮影となりました。