赤いリボンが添えられた白いオフショルダードレスのスタイリングは、「アスカはアスカ」という宣言と相まって、彼女の強い意志をより柔らかい方法で表現しようと決意させました。今回の撮影では複雑なメカや戦闘シーンを選ばず、キャラ本来の素顔感と日常的な雰囲気に重点を置き、3つの全く異なる環境を通して、彼女の性格のさまざまなトーンを表現したいと考えました。
まずは1組目のピアノ前のスタイリングです。白いアップライトピアノと積み重ねられた白いバラがこのシーンのメインビジュアルを構成し、明るく柔らかいハイキーなライティングの下で、ウィッグのオレンジブラウンがとても透明感高く映えています。このドレスの素材感に合わせるため、メイクはあえて引き算をしてアイラインを弱め、ブルーのカラコンとカールしたまつ毛に重点を置くことで、静かで集中した表情を演出しました。ピアノの鍵盤と白いレースカーテンが素晴らしい前景と背景となり、画面に非常に心地よい空気感を与えています。
2組目のシーンは毛足の長いラグ(絨毯)の上に移動し、よりリラックスしたアンニュイな状態を表現しました。白いローマ柱と淡い色の花束に囲まれ、うつ伏せの姿勢をとりました。この姿勢はチュール生地のドレスがシワになりやすいため、裾やウィッグの整理が非常に試されます。全体の暖色系ソフト光に合わせ、チーク部分をピーチカラーに調整し、パールネックレスとイヤリングを合わせることで、幻想的な光の暈(はさ)の中に上質な質感をプラスしました。このシーンのトーンはピンクパープル寄りでとても柔らかいですが、瞳にはキャラクター特有の自信と鋭さを残すよう意識しました。
そして今回の撮影のカバー(1枚目)となった3組目は、私が大好きなレトロな書斎のシチュエーションです。ダークブラウンのレザーソファ、暖炉で跳ねる温かい炎、そして背後の壁一面の無垢材の本棚が、極めて豊かな油絵のような質感を構成しています。光量が暗めで光源が集中したこの環境では、手に持ったブルーグリーンの表紙の古書が絶妙な小道具(プロップ)となりました。暖黄色の光が白いドレスの裾と赤いリボンに当たり、非常に強い色彩コントラストを生み出しています。このシチュエーションのレトロなトーンに合わせるため、赤ブラウンのアイシャドウを少したして全体の暖色系を引き締めました。
レトロスタイルのカットを撮影する際は、小道具の使い方が非常に試されます。キャラクター設定上はこの環境に登場しないかもしれませんが、衣装の色彩の明るさとトレードマークのツインテールによって、一目でアスカだと分かります。この白いドレスの袖口はパフスリーブのデザインを採用しており、ウエストのダークレッドの飾り帯と襟元のリボンが髪色と呼応するだけでなく、スタイル(頭身バランス)を長く美しく見せてくれます。レザーソファの質感は非常にしっかりとしており、ドレスのレースやチュールはとても柔らかく、こうした素材感の対比が革の反射光の下で格段に繊細に引き立ちます。
事前メイクの決定から実際の撮影に至るまで、ライティングの調整にかなりの時間を割きました。白い衣装は強い光の下で白飛びしてディテールが失われやすいため、マルチ光源のソフト光の手法を採用し、チュール素材のシースルー感がしっかり残るようにしました。表情や感情のコントロールにおいては、大げさな表情は極力避け、眼差しを通して彼女の直情さ、時折見せるプライド、そして根底にある純粋な気質を伝えるよう努めました。今回のテーマである「アスカ 花言葉」が表現するように、戦いの硝煙を脱ぎ捨てた彼女にも、静かに思考を巡らせる一面があります。今回のコスプレ撮影で最終的に表現された質感は、「アスカはアスカ」という言葉に見事にマッチしており、どんな環境に身を置こうとも、彼女自身の気質は決して覆い隠せないのだと感じさせてくれます。