アスカを撮影する時はいつも異なる生活感のあるシチュエーションを試していますが、今回はとても温かみのあるインテリアのキッチンを選びました。白のキャミソールに濃紺的ショートパンツを合わせたルームウェアスタイルに、ツインテールとトレードマークの赤い髪飾りを組み合わせ、全体の視覚的な重心をアンニュイで気ままなライフスタイルに置くことで、プラグスーツ(戦闘服)とは全く異なるリラックス感を表現しました。
拍摄前に、ウィッグや眼帯の位置をあえて細かく調整し、ハイアングル(俯瞰)や正面からのアップ(近景)など、どんなカメラアングルでも表情が隠れず、キャラクターの再現度をキープできるようにしました。メイクも周囲のライティングに合わせて調整し、ハイライトの濃度を意図的に抑えることで、肌色全体をよりナチュラルに見せ、キッチンの暖色系の光に溶け込むようにしました。
カメラマンさんは、セットにある小物を活かして構図のレイヤー(立体感)を豊かにするのが本当に上手で、例えば上部にある木製の収納キャビネット、きれいに並んだ調理器具、壁のトースト型ガーランド、还原して豆の入ったガラス瓶などです。これらのディテールが組み合わさることで、非常にリアルな生活の息吹が演出され、まるでキャラクターが自分の家のキッチンに座っているかのような感覚を与えてくれます。
一人のレイヤーとして、二次元撮影の一番の醍醐味は、具体的な空間を通してキャラクターの多面性を再現することにあると常に感じています。『新世紀エヴァンゲリオン』の作中で強気なEVAアスカを、こうした日常的な環境に置くことで、逆におもしろいギャップ萌え(反差萌)が生まれます。ライティング面では柔らかな漫反射を採用し、早朝の自然光をシミュレートすることで、硬い光によるきつい影を避け、キャラクター全体をよりソフトに引き立てました。
今回の写真の仕上がりまでのプロセスは非常にスムーズで、衣装のドレープ感やシワの入り方もできる限りナチュラルな状態を保ちました。ウィッグのカットにせよ衣装のコーディネートにせよ、入念に準備を行いました。今後は、同じシチュエーションで試した別パターンのスタイリングもいくつか控えており、同様にこの日常感を大切にしていますので、ファンの皆様にキャラクターのまた違った一面をお見せできればと思います。
多くのコスプレ仲間からよく質問されるウィッグのセットやお手入れのコツについて、今回は詳細なメモを作成しました。ツインテールの高さや赤いヘアクリップの固定方法は左右対称にする必要があり、撮影中に少しでも毛先がハネたらすぐに整えないと、だらしなく見えてしまいます。眼帯のストラップにも滑り止め処理を施し、大きな動きをしたりうつむいたりした時に位置がズレないように配慮しました。
要するに、今回はとても癒やされる撮影体験となりました。完成した写真を見るたびに、あの時のキッチンに流れていた温かい空気を思い出します。今後も機会があれば、このシリーズの日常生活をテーマにした小さな企画をキッチンコスプレでたくさん挑戦し、キャラクターの新たな一面を少しずつ引き出していきたいです。