「お見せしましょう、私の魔眼の真の価値を。」風雪に立ち向かい撮影したこの写真集は、華やかなスタジオ撮影以上に、体温の宿るリアルな空気感を好んでいます。
今回挑戦したのは『Fate/Grand Order』のオフェリア コスプレです。この設定を初めて見た時、暗闇の中で自らの信念を貫くキャラクターの核に強く惹かれました。だからカメラマンに希望ロケーションを聞かれた際、迷わず冬夜の雪の屋外撮影を選びました。
撮影の工程はかなり過酷なものでした。当日の気温は非常に低く風も強かったため、顔を上げるたびに雪がまつ毛や髪に舞い落ち、身体に染み入る寒さは本物そのものでした。ですがそれ故に、写真に写る野生的な髪の揺れや舞い落ちる雪の花が格別に生き生きとナチュラルに映し出されました。メイク面では目元の下にあえて赤い痕を残し、軽く寄せた眉間と合わせて悲壮感と決意に満ちた感情を忠実に再現しました。
衣装面では、この黒地に白襟の制服がキャラクターの気質を際立たせてくれます。ピンと立った硬めの襟元、ゴールドのボタンと小さなリボンタイが、全体を軽快でありながら華やかに見せ、雪原を歩く際に黒いアウターと白雪が鮮烈なコントラストを描き出します。手に持ったフィルム小道具は特別に用意したもので、時間の停止感を演出するため、撮影中は指に自然に巻き付けたり揺らしたりしながら動的なエフェクトを意識しました。
仕上げのレタッチの空気感がとても気に入っています。5枚目のカットには多重露光(ダブル露光)のデザインを採用し、レンズ前をかすめた光斑が幻想的なボケ味となり、冬夜の冷気と舞い散る雪と重なって、まるでキャラクターの壊れた記憶の欠片のように見えます。こうした虚実が交錯する画面は、あたかも時間が凍りついたかのような錯覚を与え、「Ich will es niemals glänzen sehen.」という言葉に込められた心境と見事に同調します。
コスプレは単に着飾って写真を撮るだけでなく、キャラクターを理解する過程そのものです。オフェリアの持つ複雑で抑圧された感情は、雪夜の中で独り佇む冷たさと完璧にマッチします。風がフィルム小道具を吹き上げ、どこか意地っ張りなその佇まいこそが、私がカメラの前で必死に表現したかった雰囲気系コスプレの真髄です。
撮影終了後は全身が震え、指先も固まってしまいましたが、書き出された完成カットを目にして、このこだわりは報われたと実感しました。素晴らしい写真は過剰な加工を必要とせず、自然の雪、乱れる風、そして衣装やプロップが融合した時、キャラクターの空気感が自然と溢れ出してくるのです。これこそが私がロケーション撮影に情熱を傾け続ける理由であり、環境の後押しを受けて毎回思いがけない素晴らしい写真を手にすることができるのです。