『Fate/Grand Order』の影の国の女王の撮影が、氷点下の気温の中でようやく完了しました。撮影直前に小道具を開封した瞬間は少し頭が真っ白になりました。というのも、小道具職人さんが全く同じデザインの赤い魔槍を2本送ってきたからです。本来は長さや形状の異なる2本を構える予定でしたが、急遽ポージングを変更することになりました。しかし、結果的には片手で持ったこの姿態が意外な味わいを生み出し、怪我の功名となりました。今後は撮影の3日前には小道具リストを完全にチェックしようと心に誓いました。
今回のスタジオセットはキャラクターのダーク系な世界観に完璧にマッチしていました。背後のステンドグラス窓与冷青色の背景光が被写体に当たり、強烈な明暗与色温度のコントラストを生み出しています。カメラマンがパープル与ブルーの環境光を絶妙に調整してくれたおかげで、赤い魔槍の柄与見事な補色関係が生まれました。衣装自体に光沢のあるレザー素材が使用されているため、ライティングによって肩当ての金の縁取り与革表面の反光が美しいシルエットを完璧に浮き立たせています。
衣装の生地感は少し硬めで、特に胸元の切替構造与内蔵サポート、そしてメッシュ部分の通気性が冬の撮影では裏目に出てしまいました。スタジオの暖房が寒風に追いつかず、撮影の合間はダウンジャケットに包まって隅っこで丸くなっていました。
今回のスタイリングのハイポイントは、下半身の網タイツ与黒のショートブーツの組み合わせです。脚長効果を発揮しつつ、全身黒のコーディネートに豊かなレイヤーを与えて重くなりすぎるのを防いでいます。セットに配置した鉄鎖、バラの花びら、レトロな赤ソファは光与構図の影響を受けやすいため、撮影時は画角を狭めてキャラクター与武器に視線が集中するよう工夫しました。ウィッグの質感も光の下で自然に映え、サイドの流し前髪がスカサハらしい凛とした冷艶な表情を引き立ててくれました。
レタッチの際、このようなダークゴシック調の写真で重く見せない色調補正について聞かれますが、私のアプローチは環境光の彩度を下げつつ赤の鮮やかさを維持し、ハイライトを抑えてレザーのツヤを液体金属のように魅せることです。主光源与補助光の色温度の組み合わせが質感の決め手となります。コスプレ撮影の過程は極寒で大変でしたが、この2年で最も満足のいく出来栄えとなり、強い達成感を得られました。寒さの中でカッコいい装備を魅せるプロセスこそ、二次元ファンの醍醐味だと実感しています。