今回の写真集は、近年のコスプレ撮影の中で構図アングルを一番楽しめた作品となりました。通常の目線レベルの特写(アップ)に加え、カメラマンと私であえて様々な「一風変わった」視点に挑戦しました。
最影のお気に入りはカバーに使った横たわる構図です。緑の苔の上に横たわり、右手を前方へ伸ばすことで、カメラが真上または少し傾斜した位置から見下ろすようなパース感(透視感)を演出しました。このカメラ位置は被写体の身体コントロール能力が試されるもので、腕や脚の配置が美しい視線誘導を生み出す必要があります。幸い完成した写真では手脚の伸ばしや指先の曲線が自然に表現され、下部に配置した白い花束と相まって、画面全体の被写界深度が極めて立体的に仕上がりました。
今回セットアップしたのはクラシカルな欧風インドアガーデンのロケーションで、白いローマ柱、人工苔のじゅうたん、首尾よく並べられた白と黄色の造花花束が、緑と白のエルフ衣装と見事に呼応しています。特に6枚目の写真で使用した金色の鳥籠プロップ(小道具)は、胸に抱きかかえて伏し目で見下ろすことで、暖色のライティングの下、金属の質感が柔らかいラインを反射してくれました。当初のポーズ設計では持ち手で下げる案もありましたが、胸元に抱くことでより静かで憂いのある雰囲気が生まれ、キャラクターの内面にある柔らかい部分に寄り添えたと感じています。
衣装のディテールに関して言えば、白と緑の切り替え生地は最近の小道具の中でも特に軽やかで着心地の良い一着でした。肩口や胸元に施された目を引く透かし彫りの花型切り替えに、ゴールドのパイピングとシースルーの付け袖が合わさり、豊かなレイヤー感を生み出しています。また、尖ったエルフ耳のパーツは2枚目の側面ショットで明確に確認でき、肌への密着度やウィッグとの馴染み具合も抜群でした。
もちろん、ダイナミックな構図だけでなく、目を閉じて憩うシンプルな姿も外せない要素です(2枚目の写真参照)。撮影中、目を閉じてそっと手に触れる仕草は、『原神』のキャラクター設定にある穏やかで静謐な気品へと素早く没入させてくれました。4枚目のハイアングル(俯瞰)で横たわるショットも面白く、顔の前で両手でフレームを作るポーズをとり、地面の苔や周囲の花々を天然のフレーム(額縁)とすることで、まるで自然そのものに抱かれているかのような画面が完成しました。
最後に、この衣装の脚部および足元のデザインも絶賛したいポイントです。5枚目のさりげない座りポーズでは、ホワイトゴールドの透かし彫りストラップが足首と甲を彩り、あえて裸足(素足)で臨みました。ストラップが作り出す繊細なライン感と伸ばした脚のアクションが相まって、レンズ越しに極めて繊細に映し出されています。これも構図アングルを巧みに見つけ出し、脚の視覚的長さを最大限に引き伸ばしてくれたカメラマンのおかげです。
正直なところ、こうした俯瞰(ハイアングル)や仰角(ローアングル)のトリッキーな画角を捉えるため、カメラマンは地面に這いつくばったり機材を掲げたりして必死にポジションを探し、私自身も固い人工苔の上に何度横たわったか分かりません。腰や背中に少し痛みを覚えはしたものの、モニターに映し出された垂直構図と斜線構図が交錯する画面を目にした瞬間、全ての苦労が報われたと感じました。標準的な立位や座位の二次元的なポーズから脱却し、フィジカルな全身の表現でファインダーを満たしていく感覚は、作品全体に格段の躍動感を与えてくれます。