西渓湿地の円形池のほとりで今回の撮影を終えました。青と白のバイカラーのメイド服を身にまとい、真夏の猛暑に耐えながら、文字通り滝のような汗を流しました。
衣装のディテールはとても豊かで、深藍のワンピースに白いフリルエプロン、さらにレースのヘッドドレス、白手袋、タイツを組み合わせた「白ストッキングメイド」の装いです。普段の屋内スタジオ撮影なら問題ありませんが、今回は屋外の芝生に飛び出して草原写真に挑んだため、白ストッキングと芝生の摩擦が激しく、撮影後には草葉に擦れて一部毛玉ができてしまっているのに気づきました。さらに厳しい猛暑のせいでウィッグが首筋に張り付いて不快になり、メイクも崩れやすかったため、20分おきにヘアメイクさんにフェイスパウダーをはたいてもらい、再びバブルマシンを担いで撮影に挑み続けました。
今回は小道具もたくさん用意し、その筆頭がピンクのバブルマシンでした。バブルマシン写真撮影を経験した方ならご存じの通り、空いっぱいに均一な大きさのシャボン玉を美しく舞わせるには、溶液をこまめに補充するだけでなく、カメラマンさんに高速連写を切ってもらう必要があります。私はバブルマシンを掲げてカメラの前を軽やかに駆け回り、風向きを読みつつ表情管理にも気を配りました。シャボン玉はすぐに弾けてしまうため、シャッターチャンスを掴むのは至難の業です。夏のメイド服コスプレのテーマに寄り添い、真っ赤なリンゴやぬいぐるみの子犬、レトロなフィルムカメラも持参。レジャーシートに座って子犬を抱きしめたり、頭の上にリンゴを乗せてウインクしたり、シートに横たわって自撮りの真似をしたりと、現場での対話から生き生きとしたポージングが次々と生まれました。
日本風ポートレート撮影のテイストを追求するため、現場の光のコントロールは極めて重要でした。西渓湿地の木陰が柔らかな自然の拡散光をもたらしてくれる一方、池のほとりの直射日光は非常に強烈だったため、顔に落ちる濃い影を防ぐべくレフ板の角度を絶えず微調整しながらシャッターを切りました。現像・レタッチのカラーグレーディングにおいても、透明感のあるハイキーなトーンを目指し、青と白が織りなす清涼感を大切に保持。彩度とコントラストをわずかに抑えることで、画面全体に夏特有の涼やかで心地よい清涼感を宿らせました。
屋外の芝生で行う草原写真は、重厚なメイド服やストッキングを身に纏っているとまさに体力の限界に挑む体験でした。休憩中はできる限り木陰に身を寄せ、携帯用のミニ扇風機で涼を取るしかありませんでした。しかしカメラの液晶で撮って出しの写真を見返したとき、陽光を浴びたシャボン玉が虹色の光彩を放つ奇跡的な瞬間を目にして、すべての苦労が完全に報われたと感じました。芝生の上で虫を払いながら阿吽の呼吸でシャッターを切り続けてくれたカメラマンさんやサポートの仲間に心から感謝しています。仕上がった写真の美しさは当初思い描いていたイメージそのもので、この清らかな世界観と雰囲気を心から愛おしく思っています。