今回は『東方Project』よりパチュリー・ノーレッジのコスプレに挑み、「魔女の読書時間」をテーマに撮影しました。空間の設営だけでも丸一日がかりの午後を費やしました。正直なところ、パチュリーのこのロリータ調のドレスは息を呑むほど重層的です。インナーから羽織りに至るまで幾重にも重なるフリルとレースは着用すると確かな重量感がありますが、鏡の前でナイトキャップ(大檐帽)に飾られた最後の一輪の花を整え終えた瞬間の達成感は何物にも代えがたいものでした。つば広帽の固定は極めてテクニカルで、ヘアピン留めの補助がないため、内側のゴムバンドとクリップだけでウィッグに固定。大振りの所作をするとすぐに傾いてしまうため、撮影中は無意識に帽子の角度を微調整し続けていました。
ウィッグには紫灰色のロングを選定し、パッツン前髪にサイドの三つ編みを結い上げました。前髪の生え際はヘアアイロンで軽く熱を入れ、ふんわりとした柔らかなエアリー感をプラス。メイク面では目元のニュアンス表現に全神経を集中させ、紫がかったピンクのカラコンを瞳に宿し、目尻を深く引き締めることで、長年大図書館に籠もり続ける病弱で青白い肌と、どこか腹黒さを秘めた知的な気品を追求しました。博識な魔導書使いとしての側面を際立たせるため細フレームの丸メガネも用意し、メガネを掛けたカットでは空間の文学的な情緒が一気に跳ね上がりました。
撮影場所には重厚な調度品が息づくレトロな書斎をセレクト。背景には古書がびっしりと敷き詰められた背の高い本棚がそびえ立ち、フロアには複雑な織り柄のペルシャ絨毯が広がります。世界観を深めるため、ケロシンランプ(オイルランプ)、ルーペ、蓄音機といったヴィンテージ小道具を配置しました。絨毯の上にうつ伏せになって撮影したカットでは、重厚な赤革装丁の書物を両手で抱え込みました。うつ伏せでの読書は一見リラックスして優雅に見えますが、ファインダー越しの見栄えと開いた本の角度を保つため首と腰に強烈な負荷がかかり、肩はずっと緊張状態でした。しかし、カメラマンの@夜空📷 さんから合図がかかり、暖色の柔らかな光輪が私の顔立ちと紙のページの上に零れ落ちた瞬間、まさに紅魔館の大図書館の奥深くに身を置いているかのような錯覚を覚えました。
着座姿勢でルーペを手にしたカットでは、レンズが照明を遮ったり不自然な反射を起こしたりしないよう、手首の角度をミリ単位で微調整。傍らには蓄音機を添えました(撮影中に実際にレコードの音楽を流せたらさらに最高の没入感だったのですが)。スカートの裾元から覗く白ストッキング(白いレース付きソックス)が衣装と見事に調和し、全体のトーンを美しく統一。ロング丈のドレスゆえ、腰を下ろすたびにレースの重なりが最も美しく見えるようドレープを広げる必要があり、ポーズ替えの足取りは常に慎重を極めました。
撮影で最も苦心したのは、周囲に積み上げられた無数の書物たちです。画面の構図バランスを保ちながらランダムで美しい山を築き、姿勢を変えるたびに本を蹴り倒さないよう細心の注意を払いました。織女撩子と一緒に小道具のレイアウトを議論し、ランプの最適な配置やルーペの自然な構え方を探求した下準備には多くの時間を費やしました。ランプのリアルなガラスの質感と温かみある光輪を写し取るため、照明の照射角度も何度もテストを重ねました。
深く沈み込むダークトーンの中に温かな光が滲む今回のカラーバランスは、個人的にも深く気に入っています。小道具と衣装が宿すクラシカルなマテリアル感がファインダー越しに鮮明に息づいており、長丁場の撮影で体力を大きく削られはしたものの、完成した作品を目にした瞬間、注ぎ込んだすべての情熱が報われたと確信しています。