7月の広州蛍火虫アニメイベントの会場は超満員で、館内の熱気は猛暑警報レベルでした。今回は『東方Project』のチルノに挑戦しましたが、青と白を基調としたレースドレスにボリュームのあるライトブルーのウィッグ、そして背中に背負ったホログラム調の幾何学クリスタル翼を身に着けていると、本格的な撮影が始まる前から衣装の内側は汗だくになっていました。しかし、納得のいくコスプレ作品を残すためには事前の準備と現場のライティング調整に一切の妥協は許されません。イベント会場の雑多な環境光は、油断するとブルー特有の透明感をくすませてしまうからです。
今回の機材構成を詳しくご紹介します。カメラ本体はソニーA7M4にJinbei Q7III(ソニー用)ワイヤレストリガーを装着しました。騒がしい会場内にクリアな撮影空間を切り開くため、本格的な照明セットを構築しました。メインライトにはJinbei HD250maxに80cmオクタゴンソフトボックスを組み合わせ、顔まわりに非常に柔らかな光を届けることで、レンズ越しでもキメ細やかな肌の質感を確保しました。サイド逆光にはJinbei HD100のベアバルブ(直光)を使用し、背後のホログラムクリスタルの小道具やウィッグのエッジを照らして画面に立体感と奥行きを生み出しています。また、幾重にも重なるチュールスカートの裾にはパールチェーンや赤いリボンがあしらわれているため、今回は床面へ向けてJinbei Hi500proを照射する低位置の足元ライトも配置しました。下からのバウンス光によって脚のラインを美しく浮かび上がらせるだけでなく、裾のディテールを透き通るように輝かせ、上半身の強い光によってスカートが黒つぶれするのを防いでいます。このライティングのセッティングには時間を要したものの、モニターに映る仕上がりは自然光のみの撮影とは比べ物にならないほど美しく、A7M4の撮って出しの発色がブルーの透明感を完璧に再現してくれました。
チルノというキャラクターは、小道具や衣装のディテールが非常に多彩です。胸元の鮮やかなオレンジの大きなリボン、何層にも重なるレースのカフス、スカートのフリルなど、シャッターを切るたびに位置を丁寧に整える必要がありました。衣装には透け感のあるチュール素材がふんだんに使われており、ライトを反射しやすいため、ポージングの際はバランスを保ちつつ衣装の自然なドレープを意識しなければならず、体幹と筋力が試されました。片脚を持ち上げて腕を高く掲げるようなポーズでは、足元のライティングに合わせるため何度も角度を微調整して納得のいく一枚を追求しました。
一日中イベント会場をヒールのショートブーツで歩き回り、重みのあるウィッグを被り、背中のクリスタル翼が周囲にぶつからないよう気を配り続けるのは確かにタフでした。それでも、混雑した会場の中でトリガーとライティングを駆使し、キャラクター本来の魅力を的確に表現できたプロセスそのものに大きな達成感を感じています。今回の写真は、現場のリアルな熱気と美しい光影をそのまま閉じ込めた大切な二次元撮影の記録です。