眠りし大図書館。ここの本棚と積み上げられた古文書は、幻想郷のどの場所よりも重厚です。今回の撮影の出発点は、本に囲まれ世間から隔離されたこのような物憂げな雰囲気を切り取ることでした。写真に写る青紫色の薄暗い光は、実は現場のライティングで意識して作った効果であり、直射日光が届かず魔法のページの微光だけが灯る図書館の奥深くの環境を再現しています。
年中図書館に引きこもっているパチュリーらしさを出すため、必須の丸メガネや赤い革表紙の古書だけでなく、衣装の生地がもたらす柔らかい質感にもこだわりました。今回は薄色を基調としたクラシックなロリータコスプレドレスを選び、スカートの裾や袖口にはシアーなチュールとレースフリルを贅沢に重ねました。撮影中に少し動くだけで本や周囲のトランクに擦れてしまいますが、歩くときの軽やかでふんわりとした雰囲気は、「たまには身体を動かそうか」というキャラクターの設定をより生き生きと表現してくれました。
シーン全体と周囲に積み上げられた本やレトロなスーツケースは、厳選した小道具です。「眠り」の静寂感を際立たせるため、本は古書やヴィンテージ風のハードカバーを中心に選び、床に積んだ高さが椅子の下半分の位置をほどよく隠すことで、知識に包まれた安心感を演出しました。レトロな革張りソファも雰囲気にぴったりで、少し沈み込みながら本を手に取り、肘掛けに腕を預けることで、パチュリーの物憂げで知的な佇まいを自然に醸し出すことができました。
撮影工程は実はかなりの挑戦でした。特にスカートの裾が非常に長く、足元に薄い色の革靴を履いていたため、少し気を抜くとチュールの端を踏んでしまいそうになります。また、丸メガネはスタジオのライティングで反射しやすいため、最も自然な表情と角度を見つけるべく、顔に当たる光の角度を時間をかけて微調整しました。読書をしているフリをしつつ、視線は集中しながらも鋭くならないよう配慮し、普段は読書好きだがたまにぼーっと妄想にふける彼女の性格に合わせました。
この紫色のウィッグは毛通りがとても良く、はっきりとしたフリルが施されたナイトキャップと合わせることで、全体的なヴィンテージ感が一気に引き立ちました。このクラシカルな雰囲気を保つため、メイクは濃いアイシャドウやアイラインを避け、できるだけ透明感を重視し、リップとチークで血色感を出す程度にとどめました。キャラクターが現代っぽくなりすぎるのを防ぎ、写真の色調と光影でこの静寂な空間の雰囲気を語らせるようにしています。
完成した写真を見たとき、現場にあったあの静かで、どこか夢心地のような魔法使いの雰囲気がしっかりと残されていると感じました。機会があれば、また古本の小道具を車いっぱいに積み込んで、本棚の間を行き交うシーンや、真夜中に高脚スツールに腰掛けて魔導書をめくるような撮影をしてみたいです。そうすれば、東方Projectというテーマに対する視覚的な想像力をさらに広げられるはずです。撮影チームも狭いロケーションの中で細部まで丁寧に捉えてくれ、人物の美しい佇まいを見せつつ、キャラクター自身が持つ独特の静けさを損なわない仕上がりにしてくれました。