今回の夜景ポートレート作品のレタッチがついに仕上がりました。今回挑戦したのは『スーパーの裏で煙草吸うふたり』の山田さん(田山)。スーパーの裏口で夜勤明けに一服する、疲弊した大人の日常をテーマに設定しました。そのリアルな生活感を切り取るため、ロケーションには深夜のコンビニエンスストアと夜の川辺を選定しました。
スタイリング面では、アンニュイで退廃的な色気を醸し出すため、シンプルなタイト白Tシャツにハイウエストのデニムショートパンツを合わせ、薄手の黒ストッキングとオフホワイトのポインテッドトゥ太ヒールブーツで足元を引き締めました。川辺の石畳を歩くのは体幹を要しましたが、黒ストッキングの繊細な透け感と美しい脚のラインが写真の中で際立ちます。首元にはメタルリング付きのブラックレザーチョーカーを付け、ルーズにレザージャケットコーデを肩掛け。赤茶のツインテールウィッグを揺らし、ロングイヤリングを添えることで、昼間の柔和な仮面を脱ぎ捨てた「田山」ならではの反抗的なオーラを一気に立ち上げました。アイシャドウとチークを広めにぼかし、終日勤務を終えてようやく息を吐き出す社畜特有の、虚ろで物憂げな眼差しを追求しています。
撮影では情緒と空気感の構築を最優先としました。小道具には煙草の箱と火をつけた煙草を用い、夜景の中でストロボの光を浴びて漂う紫煙が、疲弊と安らぎが混ざり合う独特の質感を演出。機材にはEOS R5 Mark IIとRF 35mm F1.4L VCMを採用し、35mmの程よい画角によって街の環境光を美しく取り込みつつ歪みのない自然なプロポーションを担保しました。ストロボで環境光をアンダー気味に落とし、背景の玉ボケを活かした明暗差を創出。コンビニ前で階段に座り込み、レザージャケットをはだけて肩を露出させるカットでは、煙草の香りと冷涼な蛍光灯の光が絶妙なコントラストを生み出しました。川辺の欄干に身を預け、夜風にツインテールを遊ばせながら遠くの橋梁の光を望む姿は、都会の夜が持つ包容力と孤独を見事に表現した、大満足の山田さんコスプレ・夜景ポートレート記録となりました。