撮影当日は本当に紆余曲折がありました。現場に到着して装備を整理した際、頭飾りの「角」をホテルに忘れてきたことに気づき、その瞬間に頭が真っ白になってその場から逃げ出したくなりました。しかし、せっかく来たからには、腹をくくって納得のいく写真を撮るしかありません。少司縁のこの衣装はディテールが非常に多く、赤・黒・白の配色に金糸の刺繍が加わり、日差しの下での質感が素晴らしいです。特に袖口の変形リボンのデザインは、古建築の前で躍動感を捉えるのにぴったりでした。今回は二層の飛檐(そびえ立つ軒先)を持つ楼閣を背景に選び、青瓦と赤柱、そして漆塗りの梁がキャラクターの中国風要素と見事に呼応してくれました。角がないという欠点をカバーするため、メイクとヘアスタイルにいつもより工夫を凝らし、前髪や毛流れを調整して、視線がしっかりと頭部に集まるようにしました。撮影時はあえて光が柔らかいサイド逆光の時間帯を狙い、衣装のテクスチャやウィッグの持つ青みがかった美しいツヤを輪郭として浮き上がらせました。白ニーソックスのシャドー紋様や靴底の赤いディテールも意識して露出させ、再現度のプラス点にしています。最終的には自分のうっかり具合に突っ込みを入れたくなりますが、完成した写真を見ると、このハプニングがかえってユニークな思い出(記録)になったと感じます。コスプレ(二次元撮影)で最も難しく、かつ面白いのは、こうした突発的な状況への対応であり、伝統的な建築の中で没入しながらキャラクターを表現できること自体が、最高のご褒美(古建築写真)です。角のない少司縁も、もしかしたら少し親しみやすさがあって良いのかもしれませんね。