約1年間温めてきた「小鳥とウェディングドレス小鳥」計画が、この記念すべき節目についに形となり、撮影を終えることができました。年の初めに神戸小鳥のウェディングドレス姿を再現したいという衝動に駆られてから、少しずつ形にしていくまでの間、途切れ途切れではありましたが、この企画への構想が途切れることは一度もありませんでした。タイトルの通り、これは単なる神戸小鳥 コスプレの撮影にとどまらず、私が心から愛する作品とキャラクターへの時空を超えたオマージュでもあります。
Keyの不朽の名作ギャルゲーム『リライト』に触れた当時の感動を今でも鮮明に覚えています。『リライト』の物語は数あるビジュアルノベルの中でも異彩を放っており、その壮大な世界観はもちろん、小さな登場人物たちの運命を繊細に描き出す描写は、何年経った今でも心に深く刻まれています。物語の初期において大切な相棒であった小鳥というキャラクターの優しさには、心を貫くような芯の強さがあります。だからこそ、今回のウェディングドレスコスプレの表現においては、一般的な華美で重厚なドレス感をあえて排除し、より軽やかで風になびく生地と淡いトーンの組み合わせを選び、原画から醸し出される「今にも風に乗って消えてしまいそうな儚さ」を再現しようと試みました。
生地の選定とハンドメイドのオーダーメイドによる完成度は、今回の企画で最も達成感を覚えた部分です。この淡いシャンパンゴールドの光沢サテンのウェディングドレスは、静止して立っている時でも美しい立体的なシルエットを描くよう、スカート部分に何重もの折りたたみ構造を取り入れました。レースのベール作りにも多くの工夫を凝らし、ブーケを掲げた際に優美なドレープを描いて自然に垂れ下がるよう、着用時の固定位置を慎重に調整して崩れないようにしました。頭の花冠や手にしたブーケも、原作の原画の色調と照らし合わせ、近いトーンの白やピンク系の花やリボンを厳選して手作業で仕上げたものです。
イベント会場でのリアルな撮影中には、予期せぬ楽しい出来事もありました。ブースのすぐ隣が通路だったため、通りすがりの来場者の方々が足を止めて見入ってくれたり、丁寧にツーショット写真をお願いされたりしました。ドレスの裾を踏まれないよう、当日は重たいスカートの裾を常に持ち上げながら移動し、ブーケやベールとのバランスを保つのに気を配りました。幸いなことにカメラマンが非常に頼もしく、限られたスペースの中で最適なアングルを見つけ出し、個人的にも大満足の写真をたくさん撮影してくれました。特にブーケを手に持ったりフォトフレームを掲げたりしたカットでは、顔やスカートに柔らかな光が絶妙に差し込み、ウェディングドレスのパールのような光沢とレースの繊細なディテールが見事に表現されました。
写真の外側にある細かな工夫は、見る人にはなかなか気付かれにくいかもしれません。例えば、小鳥特有の淡いブラウンのグラデーションヘアを再現するため、ウィッグには何度もレイヤーカットと染め直しを重ねました。頭の花冠を装着する際も、ウィッグのボリュームを潰してしまわないよう、専用のヘアピンと固定テクニックを駆使しました。この衣装は一見すると非常に儚げで軽やかですが、実際はスカートのボリュームもあってかなりの重量があり、しゃがんだり体を傾けたりする際には支えるために相当な筋力を必要としました。そのため、重心がぶれないようポージングは極めて精密にコントロールする必要がありました。
何はともあれ、この「二度とない絶版」の企画は無事に大団円を迎えました。一日中ウェディングドレスを着て過ごし、帰宅してメイクを落とし、普段着に戻った自分を鏡で見たとき、まるで夢から覚めたような不思議な感覚になりました。この特別なロケーション、専用の小道具、そして計算された光の組み合わせは、この瞬間においてかけがえのない唯一無二の記憶となりました。自分が愛する形でKeyの名作への想いを表現できること、それ自体がコスプレの与えてくれる最大の幸福です。そして早くも来年に向け、次の企画の種が心の中で静かに芽吹き始めています。