今回のスタイリング準備には並々ならぬ情熱を注ぎました。メインとなる白サテン地には繊細な地模様のジャガードが施されており、胸元のカッティングや金糸刺繍の型崩れを防ぐため、専用の補正インナーを着用して臨みました。上半身を引き締める黒地に金模様のネックコルセットは存在感抜群ですが、硬質な素材ゆえに背筋をピンと伸ばしていなければ首元が詰まって見えてしまいます。袖と裾回りには青と白のグラデーション生地を採用し、大ぶりなオレンジゴールドの翼の刺繍が重厚感をプラス。歩行時にもトレーンの広がり方を常に意識して立ち回りました。
ヘアメイクにおいては、淡いゴールドからオレンジへと移ろうグラデーションウィッグを採用。長めにカットした顔まわりの毛束をハードスプレーでしっかりとキープし、混雑するイベント会場でも乱れない美しいシルエットを維持しました。額の中央に配した紅色の印は左右対称の美しさにこだわり、目元には赤茶系のグラデーションとアンバーのカラコン、上下の濃密なつけまつげを重ねることで、135mm単焦点レンズの極めて高い解像力の下でも二次元撮影ならではのドール感を保持。マットな赤茶リップが清冷な気品を引き立てています。
ポージングの構成にも工夫を凝らしました。片手でピースを作るカットではガーターリングと黒タイツを覗かせて美脚効果を演出し、腕のラインによって手袋の黒から赤へのグラデーションを強調。カメラを手にして振り返るカットではモニターを覗き込む自然な所作を意識し、顎のシャープなフェイスラインを際立たせました。正面を見据えるクローズアップでは、少し視線を抜いた集中度の高い眼差しを作ることで、至近距離のバストアップでも圧倒的な存在感を宿すことができました。
会場の混沌とした照明下において、大口径望遠レンズで背景のネオンや照明を柔らかな玉ボケへと昇華させ、被写体を美しく浮き立たせてくれたカメラマンさんの腕に深く感謝しています。現像工程では金糸刺繍の立体的な陰影と黒ストッキングの繊細な透け感を最優先に残し、細部まで徹底して調整。装飾が多くスリットの深い衣装ゆえに体幹の緊張が続く撮影でしたが、中華風チャイナドレスの風格とキャラクターの魂を完璧に具現化できた納得のイベント写真となりました。