昨年の“小停雲”の撮影から振り返ってみます。改めてこの一連の写真を目にすると、当時の入念な準備プロセスが鮮明に蘇ってきます。
まずは尻尾について。友人たちからはよく「大きすぎる!」と突っ込まれますが、このボリューム感ある狐尾の造形こそがキャラクター造形の魂と言えます。ふんわりと立体感を保つため、内部にワイヤーフレーム与綿詰めを施し、撮影時は重心が偏って全体バランスを崩さないよう手元で支える演出も意識しました。黒地に赤のハイライトを入れたウィッグは、つむじ部分を自然に見せるため、ネット与生え際に消光処理を施し、スタジオのメインライトの下で浮いたり反射したりするのを防いでいます。衣装の赤白のカラーブロック与ゴールドの装身具は、ストロボの直射による激しい白飛びを避けるため、金具パーツにあえてマット加工のものを採用しました。
撮影当日は主にインドアスタジオで敢行し、背景にはレトロな雲紋柄の壁紙をあしらい、折り畳み扇子、ドライフラワー、アシ、無垢材の机や椅子を配置しました。キャラクター自体に東洋の仙侠や武侠的な風情を感じていたため、このような古風で静寂なセットが絶妙にフィットしてくれました。床に胡坐をかいて小物を弄ぶ姿勢、ひざまずくポーズ、太師椅子に腰掛けて扇子を構える姿など、多様な表現を試みました。今振り返ると、4枚目の椅子に座ったカットが衣装与所作の美しさを最も引き出せていると感じます。ブーツのディテールも重要で、白与金の切り替えやオープントゥのデザインは、足元のラインを整えるのに相応の工夫が必要でした。
スタジオでのコスプレ撮影はロケ撮影とは一味異なります。屋内の最大の強みは光量を完璧にコントロールできる点にあり、メインライト、サブライト、逆光を組み合わせることで人物の輪郭を美しく描き出すことができます。一方で、扇子や花瓶などのプロップ配置には配慮が必要で、画面が込み入って見えないよう常に注意を払いました。背景の雑光を排除するため、カメラマンさんがアングルを絶妙に調整してくれたおかげで、最終的にクリーンで洗練された5枚の写真を仕上げることができました。
一つの完成された作品を作り上げるには、初期の裁断与ウィッグカットからスタジオ撮影、そして後処理のレタッチに至るまで、実に膨大な労力がかかります。しかし完成した成片を目にすると、苦労が全て報われたと感じます。大きな尾っぽは運搬こそ大変ですが、いざカメラに収まると最高の見栄えを発揮してくれます。また、こうした和風・中華風要素を取り入れたケモノミミコスプレを投稿するたび、同好の皆さんとアイメイクの配色やアクセサリーの仕上がりについて深く語り合えるのが何よりの楽しみであり、長時間の撮影や写真選定の疲労も吹き飛びます。
そういえば、新バージョンの停雲がもうすぐ登場しますね。最近もたくさんのフォロワーさんから「次も撮影しますか?」とダイレクトメッセージをいただいています。好きなキャラクターは異なるバージョンも挑戦するのが私のスタンスです。新しいデザインは要素が拡張・変更されているため、年内に撮影を組むとすれば、メイクの微調整や、新しい衣装に合わせたより透明感のあるリップカラーの選定が必要になりそうです。
ともあれ、昨年の停雲の写真を整理して投稿しました。コスプレ撮影与レタッチの工程はどれも貴重な財産です。新バージョンの停雲を早く皆様にお披露目できるよう準備しつつ、毎回衣装与プロップのクオリティをさらに高めていきたいと思います。