今回の夜桜の夜景を舞台にした貸切撮影はずっと前から計画していたもので、10年前にあの曲を聴いたときに頭に浮かんだ光景を再現するため、全員で長い時間をかけて準備を進めてきました。今回のスタイリングの緻密さは想像以上で、レースやフリル、大きな帽子の造形を整えて身につけるだけでも半日近くの時間を要しました。それぞれ異なるカラーリングの5着のドレスが一堂に会した光景は、視覚的にも圧巻の迫力でした。
夜桜の夜景特有の情緒を表現するため、現場には複数の撮影用ライトを設置。周囲の光害を慎重に避けながら、背景の桜の木を照らしつつ、人物の顔にも柔らかい光が当たるよう調整しました。夜間のロケーション撮影では光の扱いが何よりも重要で、特にこのような広範囲の暗い背景では、求める効果を得るためにライトの光量や色温度を何度も微調整する必要がありました。
二次元チームビルディングを兼ねた集まりだったこともあり、撮影の舞台裏は完成した写真ほど堅苦しいものではありませんでした。1枚目の写真にわざと入れたモザイクスタンプや禁煙サインは当時のリアルな様子そのもので、夜の屋外に長時間いて寒さと疲れがピークに達した結果、みんなで完全にテンションが振り切れていました。7枚目の筋肉ポーズの構図は、屋内で休憩中にお互いを元気づけようとおふざけで撮ったもので、シュールではありましたがお腹が痛くなるほど笑い合い、疲れを一気に吹き飛ばしてくれました。
ですが本番の撮影に入ると、全員がプロとしての姿勢を見せてくれました。8枚目のアップショットのように、襟元やロリータスタイルの衣装の細部まで美しく見せるためには、極めて精密な表情管理と姿勢のキープが求められます。生地は華やかな反面、幾重にも重なって非常に重く、ボリュームのあるウィッグやヘッドドレスも相まって首や肩への負担が大きかったため、撮影の合間はお互いに支え合いながら休憩を取りました。
アップだけでなく、広角レンズを用いた環境ポートレートも撮影しました。桜の並木に沿って広がる奥行きのある構図と夜の光と影が調和し、人物が幻想的な景色に溶け込むような素晴らしい写真になりました。徹夜の撮影でメイクを落とす頃には体中が痛むほどでしたが、カメラに収められたこれらの瞬間を見たとき、これまでの苦労がすべて報われたと感じました。10年越しの思い出が、こうして正式に形として定格されました。