今回は『原神』の聞霜、ネフェル、ラウマをまとめて撮影しましたが、各キャラクターのスタイルの振り幅が実に大きく、どれもとても魅力的でした。まずは今回の聞霜 コスプレについてお話しすると、ダークグリーンとブラックを基調にゴールドの差し色を効かせた配色で、胸元の星型金属飾りや肩の幾何学模様は、ボディラインにフィットさせつつシワを寄せないよう製図にかなりの技術が求められました。ウィッグは深みのあるエメラルドグリーンのハイアップスタイルを選び、エルフ耳はカスタム塗装を施したシリコン製で、装着時の角度に注意しないと耳先が立ちすぎて見えてしまいます。メイクは目尻の赤いグラデーションを意図的に強め、グリーンのカラコンと合わせることで一気に強烈な存在感を演出しました。撮影ロケーションにはレトロな書斎のセットを選び、背後のダークカラーの書棚と温かみのあるスタンドライトが金属パーツの反射を引き立ててくれます。手にしたピンクの液体は実はノンアルコールの炭酸水で、ワインの階調感を再現するためにグラスの内側にシロップを塗る工夫をしました。レザーソファの光の反射位置が重要で、光がアームカバーや鎖骨周辺に当たるようカメラマンさんとライティングの角度を何度も調整し、衣装の質感ディテールを際立たせました。もう一つのブルーパープルの髪色のキャラクターは全く雰囲気が異なり、サンルームのセットに切り替え、巨大なプラッシュプロップや花々が柔らかい雰囲気を醸し出していました。ですが衣装のストラップや吊り飾りは聞霜のそれ以上に複雑で、特に腰元の多層チュールや胸元のビーズネックレスは、少し動くだけで位置を直し直さなければなりませんでした。2セットのメイク・ヘアスタイリングを合わせると、ウィッグのセットだけで3時間近くかかりました。双方の髪色でレイヤーカットとウェーブ巻きが必要だったためです。聞霜の座りポーズはお姉さんコスプレならではのアンニュイな気品を求められつつも目線はしっかり集める必要があり、完全に脱力してダラけると肩ひもが滑り落ちてしまうため、撮影中はずっと体幹を意識して緊張させていました。撮影の合間には3人目のキャラクターのパーツも一部試着しましたが、時間の都合で半セットにとどまりました。今回の原神コスプレの試みを通して、ゲーム内でのキャラクター衣装のデザインロジックを改めて理解することができました。一見シンプルに見える幾何学装飾の多くも、実際の着用時には耐荷重や可動域を考慮する必要があります。例えば聞霜の手首のリング防具は締めすぎるとグラスを握る手つきに影響し、緩すぎると回転してしまうため、最終的に内部をマジックテープで固定しました。準備期間は長くありませんでしたが、どのファンタジー衣装にも独自の記憶に残るポイントがあり、単にポーズをとる以上に、キャラクターが纏うファンタジー感あふれる日常の瞬間を再現したいという思いで臨みました。