もともと予定していたロケ撮影は突然の大雨で一時見送りとなり、すでに通りに出ていたため、機材を抱えて一番近いカフェへ雨宿りに駆け込むしかありませんでした。外の雨がガラスを伝って流れ落ちる中、思い切って飲み物を注文して座って休憩することにしました。店内の階段や木製のテーブルに温かみのある照明が灯り、手元にあるこのアーミヤのJRコラボ衣装を見ていると、いっそのことその場で何枚か撮ってみようという気になりました。この衣装には多くの要素が詰まっており、青いセーラー襟、白いアームカバー、金色と赤のストライプが入ったワイドスリーブ、さらに黒いリボンタイと胸元の宝石ペンダント、そして大好きな巨大でもこもこのうさ耳と鮮やかなブルーのカラコンが加わることで、一瞬にして世界観が立ち上がりました。
室内撮影で光が暖色系かつ暗めだったため、自然光を活かして撮影しました。屋外用の非常に明るいレフ板は用意していなかったため、すべて窓辺の柔らかな光に頼りました。1枚目は木製テーブルの前に座って頬杖をつき、テーブルの上の本や造花を眺めながら物思いにふけるようなおとなしい雰囲気です。2枚目は隣の椅子に座り、両手で冷たいドリンクを持ってリラックスしてカメラを見つめる、より日常的で気取らない姿を捉えました。まさに思いがけない幸運で、当初予定していたロケ地には行けなかったものの、カフェならではの日常の生活感がこの衣装に親しみやすさを加え、いつものような高嶺の花のような距離感を和らげてくれました。
撮影時には少し苦労もありました。例えば重量感のあるうさ耳が顔を覆ってしまったり、重力で後ろに倒れそうになったりして、ベストな角度を見つけるまでかなり微調整を繰り返しました。最終的にこのような自然体の写真が仕上がり、雨に降られた甲斐があったと感じました。滅多にない屋内の応急撮影としては、予想を遥かに超える素晴らしい仕上がりになりました。今回の撮影を通じて、環境に発想を縛られてはいけないということを改めて実感しました。たとえ店内でドリンクを手に座っているだけでも、キャラクターになりきってさえいれば、思いがけない表現力が生まれるものです。
当時撮影した写真を見返すと、メイクや衣装の細部にもう少し調整できる点があったものの、この写真セットは多忙な日常の中での束の間の休息というリアルな空気感や特別な情緒を捉えており、これを入念にポーズを決めるロケ撮影で再現するのは難しいはずです。今回のメイクでは鮮やかなブルーのカラコンに合わせて思い切ったブルーのアイラインを引き、薄暗い光の中でも瞳が生き生きと見えるよう、アイシャドウのグラデーションを意識的に濃くしました。ウィッグもサイドのもみあげを整え直し、小顔に見えるように工夫しました。後で友人に写真を見せたところ、このさりげない自然体な雰囲気がコラボ設定にかえってよく似合っており、街角でばったり出会ったかのようなサプライズ感があると好評でした。何はともあれ、雨の中を出かけた甲斐は十分にあり、とても楽しいエピソードとなりました。