今回のサンデーの個人解釈(私設)スタイリングは、初期の構想から完成に至るまで、まさにディテールへのこだわりを極限まで突き詰めた挑戦となりました。公式の基本設定にオリジナルの解釈を取り入れたため、衣装から小道具のコーディネートに至るまで何度も熟考を重ねました。
まずは衣装についてですが、全体をオールブラックの質感で統一しました。インナーの黒シャツにロング丈のウールコートを合わせ、雪景色の中で着膨れしないよう中は薄手の防寒インナーのみにした結果、氷点下の風の中で手がかじかんで感覚を失いそうになるほどでした。胸元のパールネックレスと十字架ペンダントは、漆黒のベースの上に視線のアクセントを作るだけでなく、神聖さと堕落がせめぎ合う独特の葛藤を象徴するために特別に選定したものです。
ウィッグのセットはまさに地獄のような難易度でした。銀灰色のロングウェーブは毛量が非常に多く、前髪の目元を半分覆うような無造作で軽やかな毛流れを保つため、サイドと頭頂部にハードスプレーをたっぷり馴染ませ、ピンで固定して突風に煽られてもボサボサに崩れないように対策しました。メイク面では目元の彫りを際立たせ、カラコンと合わせつつ、目の下に涙の跡を描いて細やかなラインストーンを添えることで、泣き腫らした直後や涙がこぼれ落ちそうな脆く切ないニュアンスを演出しました。
頭上の金色の茨の光輪と白い羽の翼は、今回の造形の目玉です。光輪は軽量素材で作られていますが、遮るもののない広大な雪原では風をまともに受けてしまうため、頭上で違和感なく浮かび上がった状態をキープできるよう、透明なゴムやピンを何本もウィッグに仕込んでガチガチに固定しました。白い羽の翼も装着角度を細かく調整し、自然に見えるだけでなく構図の中で頭部のラインに綺麗に沿うように配慮しました。何枚か羽を頬の横まで引き寄せて顔を半分覆う構図を作りましたが、視線が瞳へと集中し、非常に完成度の高いカットになりました。
当日の撮影ロケーションは結氷した湖の上で、背景には遠くのヨーロッパ風建築と銀世界が広がり、この寒色系の世界観に完璧にマッチしていました。レタッチで追加する吹雪のエフェクトに合わせるため、現場でも風向きを読みながら風雪に立ち向かうポーズを懸命に作り、コートの裾や髪の一筋一筋が風の流れに美しく乗るように工夫しました。仕上げとして画面に舞い散る黒い破片や半透明のアーク状エフェクトを加えることで、単調な雪景色にとどまらない幻想的な結界の雰囲気を吹き込みました。
今回の個人解釈の核心は、吹雪の中に身を置き茨に囲まれながらも、自制と静寂を保ち続けるという、普段とは一線を画す空気感を表現することにありました。手足の凍えや風で飛ばされそうな翼との格闘など過酷を極めた撮影でしたが、仕上がった写真の張り詰めた冷徹な美しさを目にした時、そのすべての苦労がかけがえのない素晴らしい経験になったと心から感じました。