嘻番里(シーファンリ)でのライブ鑑賞を終えて外に出た時、舞い散る小さな粒が雪なのか雨なのか不思議に思っていました。ところが地下鉄の駅に着くやいなや、大粒の雪が勢いよく降り注ぎ、歩いて帰る予定を変更してタクシーで帰宅することに。
実は今回の撮影は昨年末に予定しており、雪ミクというテーマにぴったりの大雪を期待して雪景色撮影を心待ちにしていました。しかし、この冬の北京はまともな雪が降らないまま、待ち望んだ季節はあっという間に初春へ。今回の雪も降るのも止むのも早く、翌日北京アニメイベントの会場に着いた頃には雪が降った痕跡すら残っておらず、積雪がないため冬ならではの幻想的な魔法のような空間は生まれませんでした。振り返れば、雪の中をのんびり歩いて帰るのも素敵な体験だったはずですが、イベント参加と撮影を控えていたため、雪中散歩を楽しむ余裕はありませんでした。
2日目は会場での撮影となり、前日の雪がすっかり溶けてしまったため、完全な屋内北京アニメイベントでの撮影に切り替えました。雪景色撮影としての天然の雪の背景は逃したものの、会場のライティングと空間の雰囲気のおかげで、衣装の繊細な美しさがより際立ちました。この衣装は白いコートとブルーのリボンを基調としており、襟元の白いファーはとても柔らかく、照明に照らされて上質な質感を放っています。手に持った白い四角い小道具はポージングの支えとして最適で、バストアップの構図と合わせることで写真全体がよりまとまりのある仕上がりになりました。青い瞳のメイクに合わせ、アイメイクの濃さを調整してカメラの前で目元の印象がより際立つように工夫しました。
このキャラクターの初音ミク コスプレに挑戦するのは初めてではないため、ウィッグのセットや髪飾りの装着もスムーズでした。頭頂部の青いリボンに金色のメタルパーツ、垂れ下がるパールチェーンをあしらう作業は根気が要ります。撮影本番は会場が混み合っていたため、カメラマンさんと相談して比較的すっきりした背景を選び、F値を開放して雑多な周囲をボカすことで被写体を綺麗に引き立たせました。幸い当日は会場の光が良く、無理なく理想的な露出を得ることができました。
写真に写る自分を見つめながら、過去の撮影の思い出がたくさん蘇ってきました。特に2023年の紫操(グラウンド)で過ごした大雪の夜は今でも忘れられません。冷たい風に乗って大粒の雪が舞い散るあの迫力は、屋内の撮影では決して味わえないものです。あの時の体験が強烈だったからこそ、今年も同じような大雪を再現できなかったことに少し心残りを覚えてしまうのかもしれません。
カメラマンさんとの何気ない雑談の中でも、「思い通りにいかないことこそが日常茶飯事だよね」という話になりました。なぜいつも雪が遅れるのかと嘆くのではなく、単に天候のベストタイミングに恵まれなかっただけのこと。そうした不確定要素に向き合い、事前に計画を立てつつ現実とのギャップを受け入れることも、表現者としての成長の一歩なのだと感じます。
それでも、北京アニメイベントの会場でこの写真をしっかり形に残せたことで、昨年末からの撮影計画にひと区切りをつけることができました。撮影後、丁寧にコーディネートした衣装を眺めながら出発前の慌ただしい準備を振り返ると、満足のいく結果が得られて心から嬉しく思います。
来年の冬こそは天候に恵まれ、初音ミク コスプレのキャラクター性をより完璧に引き出せる雪景色撮影ができることを願っています。今回の初春の淡い雪の経験を経て、次の撮影に向けたイメージもより明確になりました。これからは少しずつ暖かくなり、じっくりとコンディションを整えながら、一回一回の撮影をキャラクターへの理解を深める大切なプロセスとして積み重ねていきたいです。
長くなりましたが、最後まで撮影記録を読んでいただきありがとうございました。