今回の厦門集美市民広場展覧館で開催された漫秋コミックコンベンションにて、『はたらく細胞』の血小板を担当しました。一見シンプルに見える装いですが、実は細やかなこだわりを詰め込むべきディテールがたくさんあります。ウィッグは鮮やかなオレンジイエローで、毛並みの滑らかさを保ちアホ毛や広がりを防ぐため、前夜に丹念にブラッシングを行いストレートスプレーで入念に整えました。メイク面では日常的なナチュラルさをあえて避け、アイシャドウをしっかり効かせつつ瞳を大きく見せるカラコンを装着。涙袋と下まぶたのハイライトを際立たせることで、キャラクターならではのクリッとした大きな瞳の質感を忠実に追求しました。
小道具に関しては、文字入りの白いキャップ帽に加え、黄色いミニショルダーバッグ、黄色いホイッスル、そして「通行禁止」とプリントされた黄色い小旗を用意。旗を振るポージングは手首のキープ力が意外にも試され、風をはらんだ旗が顔を隠してしまわないよう常に角度を微調整し続けました。笛を吹く所作も、直接口にくわえて頬を膨らませると表情筋が崩れてしまうため、シャッターが切られる瞬間に凛とした自然でひたむきな表情を保てるよう工夫しました。
開催期間の2日間(8月8日〜9日)は会場内が熱気と人で溢れ返り、気温もかなり高めでした。カメラマンの心宿二(アンタレス)先生が大変な尽力を重ねてくださり、比較的混雑が少なく背景が落ち着いた暗めのエリアを見つけ出して撮影を敢行。背景が暗いからこそライティングの設計が極めて重要となり、ハイコントラストな明暗設計によって、鮮烈な青いTシャツと明るいオレンジ髪の色彩の対比を鮮明に浮き上がらせることができました。
床に座り込んだカットでは、グレーのショートパンツに存在感のあるバイカラーのレッグウォーマー(ブーツカバー)を合わせていたため、脚元が野暮ったく見えないようあぐらをかく角度を細かく調整し続けました。床が滑りやすく重心の維持に神経を使いましたが、完成した写真のクオリティを目にした時、その苦労もすべて報われたと感じました。血小板というキャラクターはどこまでも真面目で責任感にあふれているため、レンズの前では単に愛想よく微笑むだけでなく、敬礼や笛を構える仕草に真剣で少し引き締まった眼差しを込めることを意識しました。
小道具の黄色い旗に刻まれた赤い「通行禁止」の文字とアイコンは非常に視認性が高く、手に持っていると本当に現場の秩序を守っているかのような高揚感が湧き上がってきました。最初は手探りで硬かった動きも、次第に小道具と自然に対話できるようになり、現場で出会った多くの同好の方々や参加者との温かい交流も含め、終始素晴らしい熱気に包まれた撮影となりました。衣装、小道具、そして身体表現を通してキャラクターを現実の世界に具現化できることは、コスプレイヤーとして何物にも代えがたい達成感です。