ホタルACGエキスポで撮影したイベント写真のレタッチがようやく仕上がりました。今回は趣の異なる5着のスタイリングを用意し、朝から夕方の閉館までノンストップで撮影したため、かなりの体力勝負となりました。1着目は白の近未来風防護服に、黒ストッキング(ニーハイソックス)とレースアップショートブーツの組み合わせ。テックウェア感を際立たせるため、腰回りにチューブ配線やクリアパーツをあしらいました。歩行時にチューブを引っ掛けてちぎらないよう注意が必要でしたが、見た目の重厚さに反して着心地は意外と通気性が良かったです。撮影場所には会場高層階の大きな掃き出し窓のそばを選びました。午後の自然光は非常に透明感があり、順光では衣装の白い質感が美しく引き立ち、逆光では髪の毛の輪郭に柔らかな光の輪を宿らせることができました。
2着目は黒のレースワンピースに、もふもふの手袋と猫耳ヘアアクセサリーを合わせました。こちらのメイクは少しダークトーンに寄せ、アイメイクの陰影を強調。撮影時はカメラマンさんの指示で腕を伸びやかに広げる所作を多く取り入れ、スカートの美しいドレープとレイヤー感を余すところなくアピールしました。さらに、ピンク髪に白い羽をあしらったスタイリングもあり、ソフトフィルターを通すことで幻想的でドリーミーな世界観を演出しました。ただ、羽の固定は大きな課題で、透明ストラップとテグスを使って何度も角度を微調整し、ターンした拍子に落下しないよう万全を期しました。
残りの2着は、ダークネイビーのドレスと、白シャツにサスペンダーパンツを合わせたスタイルです。ネイビーの衣装には編み上げハイヒールと黒の小道具を合わせ、撮影時は幾何学的なラインが走る壁面を背景に選び、建築自体の直線美やガラスの反射を利用してドラマチックなカットを狙いました。白シャツの装いは対照的に静謐な雰囲気を意識し、胸元で両手を重ねて目を閉じる佇まいが、窓外に広がる都会の摩天楼のシルエットと相まって深い思索の余韻を醸し出してくれました。
二次元撮影における後処理のレタッチについては、肌本来のきめ細かなテクスチャを大切に残し、過度な肌補正は控えました。その代わりに色調補正で画面全体の寒色トーンを美しく統一し、そこに鮮烈な真紅の小道具といった高彩度の差し色を効かせることで、シックな背景の中で目を引くアクセントにしました。今回はフィルターや雑誌風のタイポグラフィ・レイアウトを取り入れた表現にも挑戦し、網点(ハーフトーン)のエフェクトやフロストガラスのような質感を加えることでグラフィックデザインとしての完成度を高め、イベント写真をまるでファッション雑誌の誌面のように仕上げました。
毎回のイベント参加は、体力と技術の双方が試される挑戦です。ヘアメイクや小道具のメンテナンスからカメラマンさんとの事前共有に至るまで、すべての工程を入念に整えて挑みました。今回のカメラマンさんとは息がぴったりで、ほぼ一発OKで進められたため、大幅な時間短縮にも繋がりました。衣装の細部に関しては、ストッキングのガーターリングのフィット感や小道具の接合部など、次回に向けてより自然に見せる改良の余地も見つかりました。全体として、今回のイベント写真の仕上がりは思い描いていた理想に非常に近く、頭の中のビジョンが現実の作品として形になっていくプロセスを心から楽しむことができました。会場で温かい声をかけてくださった皆様の熱気にも励まされ、入念に準備を重ねた甲斐があったと心から実感できるコスプレ撮影となりました。