今回の月見ヤチヨコスプレ撮影は、情熱を注ぎ込んだ特別な企画となりました。八千年の時を越えるという設定に寄り添うため、衣装や小道具からセット設営に至るまで入念な準備を重ねました。まずは身に纏ったこの和風の衣装についてですが、深藍をベースに大胆な赤の切り替えを施し、鮮烈な視覚的インパクトを与えています。衣装にあしらわれた鮮やかな青の菱形文様や、スカートの裾から覗く紫・浅葱色・緑のグラデーションの重なりは、キャラクター固有のカラーリングを忠実に再現したものです。ボトムスには白のドット柄が入ったブライトブルーのストッキング(タイツ)と黄色のチャンキーヒール・メリージェーンを合わせましたが、このコントラスト豊かな色合わせが実際の撮影で驚くほど映えました。
ウィッグのセットは今回のヘアメイクの重要なポイントでした。銀白色のロングストレートに頭頂部の特徴的な2つの環状髪飾りを合わせ、全体のシルエットを自然かつ立体的に見せるため、ふんわり感とキープ力を意識した入念なセットを施しました。ブルーのカラーコンタクトと繊細なアイメイクを合わせ、キャラクターの神韻に寄り添えるよう追求しています。小道具に関しては、あのピンクのフグのぬいぐるみが間違いなく一番の活躍を見せてくれ、腕に抱いても膝の上に置いても愛らしい生き生きとしたアクセントになってくれました。さらにピンクと白の和傘、黒赤の扇子、日本の徳利を添えることで、画面全体の構成が一段と華やかになりました。
撮影ロケーションには、畳や障子、鶴と波が描かれた屏風が設えられた和室を選びました。室内の光と影の演出には知恵を絞り、障子越しに差し込む自然光の拡散光を活かしつつ、提灯の温かみのある補助光を合わせることで、伝統的な和風空間ならではのエモい空気感を醸し出しました。屋外の桜の木や白い玉砂利の敷かれた庭も、画面全体にみずみずしい息吹を添えてくれました。特に木造の縁側に腰掛けたカットがお気に入りで、桜の木漏れ日が体に降り注ぎ、まだらな光と影が息をのむほどリアルな情緒を醸し出してくれました。
今回の撮影機材には、Sony A7R6にSony FE 28-70mm F2 GMレンズを組み合わせて使用しました。この機材の組み合わせは複雑な光環境下でも極めて頼もしく、F2の大口径開放絞りが薄暗い室内でも十分な光量を確保しつつ、衣服の織り目や髪の毛一本一本のディテールまで驚くべき高解像度で描き出してくれました。28-70mmのズーム域は全身カットからバストアップの特写まで非常にフレキシブルに対応でき、立ち位置を頻繁に変えることなく自在に構図を調整できました。理想的な仕上がりを追求するため、室内と屋外を何度も行き来し、フグのぬいぐるみの最適な配置や、扇子で光を遮る角度の微調整など、一つひとつ試行錯誤を重ねました。体力的には大変でしたが、完成した写真を目にした瞬間、すべてが報われたと実感しました。これほど納得のいく表現ができたのも事前の綿密な準備があってこそであり、この八千年の時を越えた逢瀬の約束が、写真を通して皆様に余すところなく伝わることを願っています。