今回はとても日常感溢れるアルトリア コスプレに挑戦しました。撮影テーマのインスピレーションは『衛宮さんちの今日のごはん』から得たもので、士郎が放課後にごはんを作る時間なら、鎧を脱ぎ捨てて騎士王の戦闘モードから解放されたセイバーも、私服に着替えて美味しいご飯の時間を楽しむべきですよね。
衣装の準備においては、従来の戦闘用ドレスアーマーを外し、オフホワイトのウール調ジャケットをメインに、定番のダークブルーのマフラーと赤黒のリボンタイをレイヤードしました。この重ね着の立体感は初冬の肌寒さを防ぎつつ、シルエットをすっきりと見せてくれます。ボトムスにはネイビーのプリーツミニスカートと黒タイツ コーデを合わせ、脚のラインを長く演出。足元の厚底黒ローファーも若い女の子の日常系な外出スタイルにぴったりです。
メイクとヘアスタイルにおいて、金髪のスタイリングは最も重要でした。象徴的なお団子ヘア(シニヨン)を再現するため、ダークブルーのリボンテープを巻きつけ、程よい抜け感とナチュラルさを演出しました。カラコンはキャラクターに合わせたライトグリーンを選び、ノーズシャドウやシェーディングで無理に輪郭を削るのではなく、少し丸みのある素顔の輪郭を残しました。ライティングを当てるとパーツがより柔らかく映り、見た目は少女でありながら凛とした威厳を持つ原作のイメージに近づきます。
小道具に関しては、グルメテーマの設定に合わせ、透明カップのタピオカミルクティーと紙袋に入ったハンバーガーを用意しました。ポーズ付けでは、騎士王の端正で静かな固定観念にあえて挑みました。片足を上げて食べ物を持ったり、両手でマフラーを引っ張ったり、ピースサインを作ったりと、これらの動作は日常系における少女の気ままさと活発さを存分に表現しています。それでも瞳に宿る静けさと揺るぎない眼差しから、彼女の根底にあるかっこいい英気を捉えることができます。
今回の二次元撮影はベージュの無地撮影用背景紙を使用し、ソフトボックスで均一に配光しました。明暗のきついコントラストを作らず、画面全体を明るく透明感のあるハイキーな雰囲気に仕上げています。写真の美意識において、この清潔感あふれる明るいトーンは日常系の二次元撮影作品と完璧にマッチし、金髪キャラの美しい白肌を引き立てつつ、黒タイツと厚底シューズの質感を完璧に表現してくれます。
鎧を脱ぐことは、決して鋭さを失うことではありません。甲冑を脱いでニットを着たアルトリアは、戦場を離れた一人の人間としての平凡さと優しさをより強く感じさせてくれます。コスプレ界隈では、甲冑やドレスの再現性が小道具や衣装の腕の見せ所だと思われがちですが、クラシックなキャラクターを日常系のセットに溶け込ませることもまた、キャラクターの表情や癖を捉える繊細な表現が求められます。今回の撮影では、厳格すぎず、甘やかしすぎない絶妙なバランスを探り、アーサー王としての誇り高さを保ちつつ、人間社会の日常に馴染もうとする親しみやすさを表現するよう努めました。
このような生活感のあるスタイリングでキャラクターを表現することで、フェイト系作品が持つ癒やしの空気感を届けられれば幸いです。この作品を見てくださったすべての人が、放課後や仕事終わりに温かい家庭料理を待つ時のような、心地よい安らぎを感じていただければ嬉しいです。