C108に向けて準備を進めたオデットのイベント写真。今回の制作で最も心血を注いだのは、衣装・ウィッグ・小道具の再現度です。『原神』の世界観に合わせたアイスブルーのドレスは生地選びからこだわり抜いており、外側のハリ感ある半透明チュールと微細なラメが煌めくサテンの裏地が重なり、照明の角度によって幾重もの美しいレイヤーが浮かび上がります。肩を飾る白い羽毛は難易度が高く、撮影前にヘアドライヤーとセットスプレーで入念に整えてふんわりとした艶感を演出しました。額飾りとウィッグの固定にも工夫を凝らし、大量のハードスプレーとピンでしっかりと固定したため頭皮への負担はなかなかのものでした。
メイクの肝は、冷ややかな美しさと透明感を両立させること。アイスブルーのシャドウをアイホール全体に広くのせ、パールを重ねる一方、頬や鼻先にほのかなピンクのチークを差すことで、氷のような冷たさの中に生きた人間らしい血色感を宿しています。撮影現場では氷の宮殿を彷彿とさせる巨大なブルーのリムライトを背面に配置しましたが、肌が青ざめるのを防ぐため正面から暖色系の補助光を当てて調整しました。空調が効いた室内であっても衣装のボリュームがあるため汗ばみやすく、こまめなメイク直しが欠かせません。
構図にバストアップのクローズアップを多用したのは、襟元やデコルテ、手元の繊細なシアーグローブのディテールを際立たせるためです。色気とは露出の多さではなく、わずかに身体をひねるポーズや指先の交差、そして視線が語る気品によって形作られます。現像作業では『原神』の氷元素聖遺物をイメージし、純粋で透明感のある色調を参考にブルーチャンネルを持ち上げ、黒締めの露出調整で背景建築のエッジの光り方を強調し、冷色系のトーンを美しく統一しました。C108に向けたタイトなスケジュールの中、小道具の厳選から細かなレタッチまで並々ならぬ情熱を注いだ今回の作品。衣装の質感や光と影のニュアンスを通じて、このキャラクターを愛する方々にその魂が届けばこれ以上ない幸せです。過酷な道のりでしたが、仕上がった写真を見た瞬間にすべての苦労が報われたと実感しました。