このシリーズの撮影が終わった後、衣装の綻びや舞台裏の映り込みなどのミスがないか、一日中じっと写真を見つめて何度も確認してしまいました。ウィッグは原作通りの編み込みアップヘアにして、両サイドの前髪のカーブは3回作り直してようやく自然な形に落ち着きました。ジャケットの襟の折り返しやインナーのプリーツスカートの落ち感は、実際の撮影時に立ち姿がかなり试され、少しでも猫背になると一気に締まりがなくなってしまいます。一番苦労したのはこの機械の腕のコスプレです。指のすべての関節に金属風のスプレー塗装を施したのですが、着用すると可動域が制限されてしまいます。それでもペンを握る、ピアノに触れる、手紙の紙肌をなぞるといった動作を再現するため、事前に2日間手の動きを練習しました。
写真1のピアノを弾いているカットは、鍵盤の反射がとても眩しかったのですが、カメラマンさんがサイド逆光を使って髪の輪郭を透き通らせるように照らしつつ、木目の暗部もしっかり残してくれたため、仕上がりの質感は期待以上でした。写真2の机に向かって手紙を書いているシーンでは、デスクライトから温かみのある黄色い光が広がり、信紙のシーリングワックス(火漆印)やガラスのインク瓶の反射まできれいに写し出されています。写真3の鏡越しのシリーズは個人的にとても気に入っていて、ガラスの映り込みと実際の手の配置が虚実の対比を生み出しており、一種のストーリー性を持たせるスナップ的な試みになりました。写真4の花の中に横たわっているスチームパンク風のカットは、実はすべて造花なのですが、立体的に配置した上でローキーのフィルターをかけることで、思いがけず油絵のような重厚感が出ました。写真5の読書をしている2枚はカメラから目線を外し、背景の赤いベルベットのカーテンと合わせることで、室内にドラマチックな演劇風の空気が生まれました。写真6の壁に寄り添うカットは、シンプルに自然光を滑らせて横顔の輪郭を浮かび上がらせ、無理に強いハイライトを加えることはしませんでした。
カメラマンさんは今回、ライティングやカメラのアングルに多大な工夫を凝らしてくれます。レタッチ(後処理)の色調補正では、暖かみのあるオレンジとネイビーのコントラストを統一し、過度な美肌処理も避けたため、衣装やウィッグ本来のリアルな質感が残されています。投稿した9枚はすべてレタッチ済みのものですが、拡大しても生地のシワや金属の細かい傷までくっきりと確認できるのが、自分でもかなり満足しているポイントです。ロケーションはレンタルしたアンティーク調の書斎とピアノ室を使用し、小道具の組み合わせもできる限り原作のレトロ撮影の時代背景に寄り添わせました。手紙を書き、手紙で想いを伝えるあの世界観を、皆さんに感じていただければ幸いです。無断転載についてですが、すでにフリマアプリで無許可の転載を見かけており、通報したものの相手は一部しか削除していません。写真を保存される際は、必ず透かしと一次ソースを確認し、なりすましに惑わされないようご注意ください。最後に、この素晴らしい写真を撮影してくださったカメラマンの谷玥氏に感謝します。終始、私のポージングやライティングの調整に根気強く付き合っていただきました。