この紫色のボディスーツが放つラテックスの質感と光沢感はコントロールが非常に難しく、特にイベント会場の大規模な自然光が入る場所では反射が極端に明るくなってしまうため、クリーンな質感を出すには光に対するアングルを細かく調整し続ける必要がありました。衣装自体は紫、青、黒を組み合わせたボディスーツで、胸元には銀白色のメカラインと赤いコアパーツ、さらに赤い襟元があしらわれ、全体的に非常にサイバーで近未来的な雰囲気を醸し出しています。
ハイネックのデザインとこの素材の組み合わせは非常に通気性が悪く、日中の混雑したイベント会場で強い光を浴びながら撮影したため体感温度はかなり高くなりました。着脱も大変で1日を通した撮影はかなりの体力勝負となり、少しでも気を抜くとボディラインが崩れてしまうため、常に背筋を伸ばした美しい姿勢を保ち続けました。胸元の「06」のナンバーもよりリアルに見えるよう工夫を凝らしています。
ウィッグは銀灰色のショートレイヤーで、長めの前髪が片目を覆うスタイルです。原作の再現度を高めるために毛量を軽く梳き、スタイリングスプレーで少し無造作でありながら立体的な束感をキープしました。アイメイクにはブラウンのカラコンを選び、柔らかいアースカラーのアイシャドウと繊細なアイラインを合わせ、視線を少し遠くに泳がせることで、キャラクター特有の穏やかでありながらどこか孤独を秘めた眼差しを表現しました。手元には手のひらに赤い丸いマークが入った濃紺の手袋を着用し、細部までこだわりを散りばめました。
今回の撮影では大きな掃き出し窓の横にある手すりを活用し、絶好の順光環境で撮影できました。手すりに座ったカットをカバーに選んだのは、ポーズが自然に伸びやかで脚のラインを綺麗に見せられたからです。ボディスーツの素材が身体にぴったりフィットするため、シルエットがはっきりと際立ちます。背景の通行人を避けるためにタイミングを待つ時間もありましたが、写真の中に傘を持った人が写り込んでいるカットも含めて、イベント写真ならではのリアルな空気感が表現されています。
スナップ撮影を担当してくれたカメラマンの寒蝉-文晋さんに心から感謝します。ラテックスの質感を持つボディスーツは締め付け感があり蒸れやすく、メイク直しも何度か挟みましたが、完成した写真の美しい光と影、そして全体の立ち姿を見て、すべての苦労が報われたと感じました。