今回の璃月グループ撮影の出演メンバーは総勢18名。紫竹院のリアルなロケーションは璃月港ならではの中国風(国風)の佇まいに実に見事にマッチしていました。嘉明 コスプレを担当した私にとって、今回の大型ロケーション撮影は実際の風景の中でキャラクターの動きのロジックを一通り網羅する初めての経験となりました。イベント系のスタジオ撮影と庭園ロケーション撮影とでは感覚が全く異なり、水面に浮かぶ灯籠、雲海に浮かぶ古建築の背景、排して後から追加された小さな舞獅(ライオンダンス)のヘッドが合わさることで、一瞬にして幻想的な世界観が立ち上りました。
18人もの大人数の構図を美しく収めるため、撮影はいくつかのシーンに分けて行われました。1つ目のロケーションは石橋と浮遊建築で、光のソフトフォーカス処理が全体に仙侠(ファンタジー)らしい神秘的な空気感を与えています。2つ目は夜間の水榭(水辺の東屋)で、照明が複雑で撮影難易度が高かったものの、レタッチ担当の葱花さんにとっては絶好のカラーグレーディング素材となりました。3つ目のシーンはアーチ門と紅葉で、秋の仙境風のスタイルでまとめられ、背景に佇む青い巨大石造アーチが画面全体に重厚な構造的支柱を与えています。最後は橋の上の立ち位置カットで、被写界深度を深めて池のハスの葉や屋形船を配し、実に要素豊かな画面に仕上がりました。
こうした大所帯のロケーション撮影で最も試されるのは、個人の表現力以上にメンバー同士の立ち位置や目線の連携です。シーンが変わるたびにポジションを組み直し、岩の上に屈んだり、手すりの後ろに立ったり、後ろの人物の顔が隠れないよう細心の注意を払いました。メンバー全員が非常に根気強く、事前のウィッグ準備やメイクにも多大な情熱を注ぎました。ロケーション撮影は時間も体力も消費しますが、完成した作品のクオリティは期待を遥かに超えるものとなりました。
続いて今回の撮影における主要な小道具について。小さな舞獅のヘッドは嘉明の設定において画竜点睛と言える重要アイテムです。実際のロケーション撮影では2つ持ち込み、1つは動的なアクションポーズ用、もう1つは静物用として使い分けました。舞獅のヘッドを手にしてポージングする際は事前に身体の重心をしっかり調整しておかないと、シルエットが崩れて見えやすくなります。水辺の石台は滑りやすく、厚底シューズを履いて石の縁で片脚を支える動作をとるには、かなりの体幹コントロールが求められました。
集合カットのほか、チームの仲間たちとオフショットのアップ写真もいくつか撮影しました。先行プロモーションとして自撮り写真も見どころ満載です。鍾離、タルタリヤ、凝光、夜蘭などのコスプレイヤーの皆さんとそれぞれ2ショットカットを合わせ、十分な光の下で自然なインタラクションの視線を探りました。日常感あふれる仕上がりとなり、イベント会場の写真とは一味違う素晴らしい補完素材となりました。
18人全員の衣装・メイク・道具のクオリティが非常に高く、特に再現が難しいとされる体格の大きなキャラクターたちも専用のシルエット造型を完璧に作り込んでおり、並んだ際の視覚的インパクトは圧巻でした。こうした街中を巡るような撮影スタイルは、カメラマン(土狗老喵さん、起凨了さん)による複雑な画角の選定力や現場での臨機応変な統率力が強く試されます。ハイクオリティなグループ作品を生み出すには優れた企画とレタッチが不可欠ですが、何より一番重要なのはチーム全体の息の合ったチームワークです。
最後に撮影中の細かいディテールについて。広大なロケーション背景を生かす場合、ポージングには視覚的な広がりを持たせることが重要で、ただ漫然と立つだけでは不十分です。片足に重心を乗せるポーズは一見シンプルですが、衣装の美しいドレープ感が強く求められます。この衣装を纏って実際に歩き回る作業は、鏡の前での練習以上にタフなものでした。また当日は天候が変わりやすく、レフ板の調整を待つ間も手にしたプロップを緩めることができませんでした。
丸一日におよんだ今回の原神コスプレロケーション撮影を通じ、それぞれのキャラクターの個性がこの環境下で多角的に表現されました。こうしたリアルロケーションでのチーム撮影はスタジオ撮影以上に難易度が高いですが、『原神』のゲーム内に広がる璃月の地貌を再現するには最高の環境です。私自身も画面の中でキャラクターとの共鳴を模索し、大がかりなアクションでなくとも、捉えられた一瞬における衣装、ウィッグ、所作の調和が非常に納得のいく仕上がりとなりました。紫竹院というロケーションはまさに恵まれた「天選の璃月」であり、光影と色調を精確にコントロールしてくれたレタッチチームのおかげで、作品全体が極めて統一感のある美しさを纏うことができました。