午後4時半から5時半にかけての1時間、空の色が移り変わるスピードは想像以上で、光が毎分のように表情を変え、まるで本当に時空を旅したかのような感覚でした。今回のロリータ撮影では、童話の雰囲気を表現することを一番のテーマに据えました。青白チェックのうさ耳ロリータドレスに白いレースの日傘と白ストッキングを合わせたのも、屋外の光の移ろいに綺麗に寄り添わせるためです。撮影の前半30分は地面に暖色系の照り返しがたっぷりと回っていたため、強い逆光を活かしてスカートを持ち上げて跳ねる全身カットを何枚か撮影しました。裾の広がりとダイナミックな逆光が重なり合い、画面に心地よい開放感が生まれました。5時を回ると空は次第に紫がかったピンクのトーンへと移ろい、白い椅子に腰掛けたり噴水の台座に軽く寄りかかったりするポーズに切り替えました。カメラマンさんが大口径レンズの開放F値で背景のヤシの木や白いアイアンチェア、ロンドンの地名が書かれたサインを柔らかくボカしてくれたおかげで、視線が衣装のレースやメイクの繊細な質感へと自然に引き寄せられます。今回の撮影で最も試されたのは、黄昏の光と影を逃さず捉える瞬発力でした。マジックアワーの光は一瞬で姿を消すため、日傘の縁を自然な前ボケとして使って画面中央の露出をコントロールするなど、光の変化に合わせて素早く構図を切り替える必要がありました。この1時間は美しいグラデーションを逃すまいと、立ち位置とアングルを絶え間なく変え続けました。ロリータドレスの重なる裾は屋外での移動時にずっしりと重さを感じましたが、その甲斐あって生まれた画面の空気感は、見る人の心に深く響く特別なものになりました。