実はこの同人作品の撮影は、半年以上も前に完了していたものです。ずっとフォルダの隅で眠っていたのですが、今日たまたま整理中に見返し、「この思い出を公開しないのは本当にもったいない」と感じました。当時、遠野咲夜先生と「黒八重神子」の衣装コンセプトを構想するにあたり、かなり長い時間をかけて打ち合わせを重ねました。キャラクター本来の気品ある佇まいを残しつつ、より深みのある配色によって、静けさやアンニュイさ、そして密かな鋭さを引き出したいと考えたのです。
衣装自体の質感についてお話しすると、生地に漂うシルクのような光沢感が本当に気に入っています。ダークブルー与パープルの滑らかな切り替えに、襟元、袖口、胸元にあしらわれた精巧なゴールドの装飾が加わり、全体の色彩に深みと重厚感を与えてくれています。同人デザインであるため、原作の仙狐要素は一部のディテールでシンプルに削ぎ落としつつ、頭飾りの動きのある金属片や胸元に重なるネックレスなど、着用時に細心の注意を払って位置を整えました。また、手に持った金属質のリング型アイテムはクラシカルに見えつつ、撮影現場では光をよく反射し、屈折によって非常に雰囲気のある光影効果を生み出してくれました。
撮影当日のことに触れると、まさに寒風が身に染みる1月でした。キャラクターの「いつでもお茶を楽しめる」ような余裕と落ち着きを最大限に再現するため、私たちは伝統的な畳与木造建築の室内ロケーションを特別にレンタルしました。ハイパワーのライティング照明をつけない状態では、室内には柔らかい光が差し込み、窓の外には冬の小雨がパラついており、この手の室内撮影の雰囲気にぴったりでした。
ですが、より物語性のある写真に仕上げるため、カメラマンさんは構図やスタイリングにかなりの工夫を凝らしてくれました。広々とした袖の広がりを生かすため、4〜5種類の異なる座りポーズや膝立ちポーズを試しました。特に顎に手を添えて茶卓に寄りかかるカットでは、クッションの上に衣装を自然に広げつつ、腕が顔のラインを隠さないよう重心を長時間調整したのを覚えています。最終的に生まれたリラックスしつつも少しカジュアルな眼差しは、意識的に表情を解きほぐすことで引き出せたもので、完成した写真は想像以上に情感豊かになりました。
なぜ最近のイベントでこの衣装を着なかったのかというと、前に話した通り、撮影のスケジュールが1月下旬だったため、撮り終わるとそのまま防塵バッグにしまい込んでしまったからです。その後、イベント会場を散策した際、多くの同志の方々が様々なスタイルの神子をコスプレしているのを目にして胸が高鳴り、「この同人衣装も持ってくればよかった」と思ったりもしました。ですが現地での衣装の持ち運びや補修の手間を考えると、結局は口頭でつぶやくだけで終わってしまいました。今日こうして写真を掘り起こせたことで、あの日のハードな撮影に対する「遅れてきた回答」を出せた気がします。
丸7ヶ月を経てようやく皆様にお披露目することとなりましたが、今こうして作品を見返すと、冬の日に長時間の着座で手足が冷え切ったり、何度もパニエや裾を調整したりした疲労感は、目の前の素晴らしい写真によってすっかり吹き飛びました。単なる撮影にとどまらず、光影の中でキャラクターの魅力を再解釈する貴重なプロセスとなりました。イベントの喧噪から離れ、静かな茶室で丁寧に作り上げたこの作品こそが、彼女の内省的で落ち着いた一面をより引き立ててくれているのかもしれません。