今回の博麗霊夢コスプレの本格撮影は、全編富士フイルムのGFX100 IIとGF110レンズの組み合わせで実施し、赤提灯と赤い鳥居が並ぶ和風庭園のロケーションにて行いました。紅白のクラシックなコントラストの中に静謐な物語性を求めたため、機材選びではあえて富士フイルム中判を選択しました。中判カメラは複雑な光源下でのラティチュードが非常に高く、特に1枚目の提灯の写真では、提灯のハイライト部分と背後の暗い木立のシャドウが見事に両立して残されています。衣装の赤いスカートはベルベット調の質感で光を吸収しやすく、一方で前腕の白い大袖とレース襟は光を反射しやすい素材ですが、GF110はそのような明暗差の中でも生地の織り目や光沢を極めてリアルに再現してくれました。スカートが翻る躍動感を捉えるため、ターンや連写をテストしました。逆光の環境下では、白タイツコスプレ(白いミドル丈ソックス)が画面の中で際立って美しいラインを描いていましたが、非常に白飛びしやすかったものの、中判の広いダイナミックレンジのおかげで後処理のレタッチにも十分な余裕が持てました。2枚目の鳥居のカットはミドルショットの構図を活かし、赤い門枠を天然のフレームに見立て、地面に落ちる木漏れ日の陰影と相まって非常に生き生きとした写真になりました。3枚目の見返りのカットでは、あえてスカートの角度を少し下げ、裾の重なりを利用して脚のラインを引き立てました。レンズならではのとろけるような美しいボケ味が、背景の格子窓を上質なダークトーンの面へと溶け込ませ、私をシーン全体へと自然に馴染ませてくれました。衣装自体が重くパニエも大きいため、風が吹くとバランスを取るのが難しかったですが、立ち姿やポーズを何度も微調整しながら、試行錯誤の中で最も自然な瞬間を捉えることができました。レタッチの方向性としては色調を統一し、環境光による不要な色かぶりを除去して、赤をより鮮やかに、白をより透明感あふれる質感に仕上げ、写真本来の生っぽい質感を大切に残しました。カメラマンさんが私の表現したいスタイルを深く理解してくれたおかげで、和風撮影の雰囲気とレンズの持ち味が融合し、まるで幻想郷に迷い込んだかのような作品に仕上がりました。