長い間構想を温めてきた『黒執事』の二人コスプレ(二人コスプレ)作品が、ついに「西洋記」のロケーションで形になりました。企画から本番の撮影に至るまでじっくり時間をかけたのは、英国貴族のクラシカルな気品が漂い、かつ二人での複雑な所作を美しく収められる本格的な実景スタジオを求めていたからです。「西洋記」に揃えられた重厚な西洋アンティーク家具はまさに理想的で、透かし彫りのアームチェア、グランドピアノ、レトロなテーブルランプなどが揃い、大がかりな建て込みをせずとも撮って出しの原画の段階から完璧な重厚感を醸し出してくれました。
今回私はシエル(シエルコスプレ)を担当し、@綿綿 さんがセバスチャン(セバスチャンコスプレ)を熱演。衣装のディテールには並々ならぬ情熱を注ぎ込み、ジャケットを彩る贅沢な白レース、アームスリーブ、白黒ストライプのコルセット風ウエストマーク、そして編み上げの黒ロングブーツと、フル装備を整えるだけでもかなりの時間を要しました。アイパッチとシルクハットを装着した瞬間、若き当主が秘める傲岸不遜さとどこか憂いを帯びた陰鬱なオーラが完璧に立ち上がりました。原作の世界観に寄り添うため、ポージングの設計についてはカメラマンさんと綿密に打ち合わせを重ね、魂を担保にした契約の絆を感じさせつつ、二人ならではの張り詰めたテンションと互いの個性を際立たせる構図を練り上げました。
撮影プロセスは、まさに体力と忍耐力を試される過酷な試練でした。スタジオ内には冷房が入っていたものの、何重にも重なる重厚な布地を着込み、ロングブーツを履いたまま片膝をついたり、レイピアを構えたり、背中合わせの抱擁や顎クイといった密接なポージングを維持するのは猛烈な熱気との戦いでした。とりわけ9枚目の片膝立ちで剣を構えるカットでは、すらりと伸びる脚のラインと編み上げストラップの美しい幾何学的な角度を追求するため、カメラ位置と身体の重心をミリ単位で何度も調整。テイクを重ねるうちに膝や足首がプルプルと震えるほどでしたが、完成した写真に浮かび上がる光と影の鋭利で妖艶なコントラストを目にした瞬間、流した汗のすべてが報われたと実感しました。
セバスチャンが手元にカトラリー(ナイフとフォーク)を構えた佇まいも非常に秀逸で、執事としての洗練された優雅さと悪魔ならではの底知れぬ危険性を両立させるため、表情の機微や指先の緊張感に至るまで徹底的に突き詰めました。現場のライティングは極めて素晴らしく、暖かなゴールドの逆光が横から差し込むことで、過度なデジタルレタッチに頼ることなく、まるで古典油絵のようなダークでクラシカルな空気感をそのまま引き出してくれました。暑さに心が折れそうになる瞬間もありましたが、全員が一枚一枚の完成度に対して真摯に向き合い、物語の息遣いが伝わる納得の二人コスプレ作品に仕上がりました。