今回の写真のロケーションには、歴史ある伝統的な古風な庭園を選びました。当時はちょうど晩秋で、地面に散りばめられた枯れ葉や石段の青苔が、雨上がりのしっとりとした空気と相まって、空間全体に清らかで静謐な下地(底色)を添えてくれました。この環境の空気感に合わせるため、衣装には白地に青い花柄をあしらった大きな裾のドレスを厳選し、大量のレースやフリルの装飾を添えることで、軽やかさをキープしつつ、古風な庭園の中で浮いてしまわないように意識しました。
今回の撮影のメイン小道具は、青白のリボンと星の装飾があしらわれた長柄の御幣(法杖)です。風との掛け合いを表現するため、3枚目のカットでは大きく回転することでドレスの裾をふんわりと膨らませ、同時に小道具のリボンを流れに任せてなびかせました。このような躍動感のあるカットを撮影する際は、小道具やスカートの裾のコントロールがかなり試されます。回転の中で最も身体が伸びやかになる力の入れ所(発力点)を見つけることで、写し出された裾が波のように美しいレイヤー感を放つようになります。
メイクとヘアスタイルに関しては、この衣装の寒色系である青緑のメインカラーに呼応させるため、透明感のある白いベースメイクに鮮やかなブルーのカラコンを合わせることで、レンズ越しの目元がより澄んで見えるようにしました。今回のストレートロングウィッグは非常に繊細で柔らかく、ダイナミックな動きをしたときに風になびく美しい質感が出やすい反面、撮影時はウィッグがレースのアクセサリーと絡まってしまわないように細心の注意を払い、体力管理にも気を配る必要がありました。今回カメラマンさんとの息はぴったりで、撮影環境の光がやや暗めだったため、柔らかな漫反射光を採用して処理しました。これにより、青苔や木目の豊かなディテールを残しつつ、衣装の刺繍のテクスチャをより繊細に浮かび上がらせることができました。
ポージングのデザインについては、しっかりと立ち止まって小道具を構える静的なクローズアップだけでなく、回転したり袖を振ったりするような「動きの中の一瞬」を捉えることを重視しました。ボリュームのある独立した袖口は、アクションを広げたときに視覚的なインパクト(張力)を大きく高めてくれます。今回の作品群は、『東方Project』のキャラクター表現としてこの巫女コスを完結させただけでなく、現代的な衣装デザインを自然で素朴な古風な庭園に溶け込ませる面白い試みでもありました。この一連の二次元撮影の写真を整理するプロセスを通じて、私自身も屋外の自然光の下での色彩再現についてより深い気づきを得ることができました。